関西・伊丹の2空港を運営する関西エアポート(KAP)は1月31日、太陽光発電施設を新設し、2月1日から発電と電力供給を始める発表した。各空港内の敷地に設置する発電設備により、2空港の消費電力の一部を置き換える。KAPグループは温室効果ガスの削減に取り組んでおり、脱炭素化を加速させる。
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関空に導入する新太陽光発電施設「KIX Sora×Solar」(KAPの資料から)
新設した太陽光発電設備は「Sora×Solar(そら・ソーラー)」と命名し、関空の2期島北側と国際貨物上屋屋根、伊丹のターミナルビル屋根にそれぞれ設ける。導入する太陽光パネルの枚数は、関空の2期島北側が3万7368枚、貨物上屋が2372枚の計3万9740枚、伊丹が960枚。
関空の発電能力は22.8MW(メガワット)で、第1ターミナル(T1)ビルや空港駅、立体駐車場、エアロプラザなどの各施設へ供給する。2025年度は年間消費電力の約16.6%に相当する27.8GWh(ギガワット時)を発電し、CO2(二酸化炭素)を約1万2000トン削減する。
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伊丹に導入する新太陽光発電施設「ITAMI Sora×Solar」(KAPの資料から)
伊丹の発電能力は0.6MWで、ターミナルビルへ供給。2025年度は年間消費電力の約1.3%に相当する0.6GWhを発電し、270トンのCO2を削減する見通し。
新たに始める太陽光発電事業は、KAPを仏空港運営会社ヴァンシ・エアポートと共同で設立したオリックス(8591)が主体となる。他社所有の太陽光発電所を自社の敷地に設置し、発電した電気を購入する「オンサイト型」のPPA(電力購入契約)で、オリックスが設立するSPC(特別目的会社)「Kパワーサプライ合同会社」が事業者となる。KAPとオリックスによると、2空港に供給する計23.4MWはオンサイト型として国内最大級となるという。
KAPグループは温室効果ガス排出に取り組んでおり、2030年の削減目標を、2016年度比50%と設定している。関空第2ターミナル(T2)には1.3MWの太陽光発電設備を導入済み。パネルは約4500枚で、電力をT2ビルなどへ供給している。
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【お詫び】
2段落目記載の太陽光パネル枚数について、当初計3「枚」9740枚と表記しておりましたが、正しくは3「万」9740枚の誤りでした。お詫びして訂正いたします。(25年2月3日 10:40 JST)