エアライン, ボーイング, 機体, 空港, 解説・コラム — 2025年1月31日 12:45 JST

ANA、羽田-ストックホルム就航 初の北欧定期便

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下の全日本空輸(ANA/NH)は1月31日、羽田-ストックホルム線を週3往復で開設した。ANAが北欧に定期便を就航させるのは初めて。当初は2020年に就航予定だったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、約5年遅れとなった。ANAが新規開設する欧州3路線の第2弾で、2024年12月3日に就航したイタリアのミラノ、今回のスウェーデンの首都ストックホルムと続き、2月12日に就航するトルコのイスタンブールで出そろう。

羽田空港でANAの客室乗務員から記念品を手渡されるストックホルム行き初便NH221便に搭乗する小さな乗客=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
787-8で週3往復
2タミ国際線19路線に

787-8で週3往復

 運航日は火曜と金曜、日曜で、羽田空港第2ターミナルの国際線施設から深夜に出発する。運航スケジュールは、ストックホルム行きNH221便が羽田を午前0時30分に出発し、午前6時20分着。羽田行きNH222便は午前9時35分にストックホルムを出発して、翌日午前7時20分に到着する。機材は787-8の3クラス184席仕様(ビジネス32席、プレミアムエコノミー14席、エコノミー138席)を投入する。

羽田空港を出発するANAのストックホルム行き初便NH221便=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 31日のストックホルム行き初便NH221便(787-8、登録記号JA814A)は乗客166人(幼児ゼロ)と乗員12人(パイロット3人、客室乗務員9人)を乗せ、73番ゲートから午前0時28分に出発し、C滑走路(RWY34R)から同49分に離陸してストックホルムへ向かった。

 搭乗口付近で開かれた就航記念式典で、ANAの平澤寿一専務は「2020年に就航する予定だったが、約5年お待ちいただいた。ストックホルムはANAにとって初めての北欧路線。日本各地からストックホルムへ出掛けられるダイヤ設定で、スウェーデンから日本を訪れる人が増えており、日本各地へ足を運んでもらいたい」とあいさつした。

羽田空港第2ターミナル国際線施設で開かれた羽田-ストックホルム線就航式典でテープカットするANAの平澤専務ら=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナル国際線施設で開かれた羽田-ストックホルム線就航式典であいさつするANAの平澤専務=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ANAによると、7割程度が日欧間の接続需要で、接続前提のビジネス需要を5割程度見込んでいるという。貨物需要は日本発が医薬品、ストックホルム発は北欧発日本行きの医薬品や自動車関連、精密機器、玩具などを見込んでいる。

 ストックホルム以遠の主な接続パートナーはスカンジナビア航空(SAS/SK)。しかし、コロナによるSASの経営悪化で、加盟するアライアンス(航空連合)がANAなどと同じ「スターアライアンス」から、再生を支援してきたエールフランス航空(AFR/AF)とKLMオランダ航空(KLM/KL)が加盟する「スカイチーム」へ2024年9月1日に移籍している。

 この影響で、ANAとSASはコードシェア(共同運航)を実施していないものの、航空券を最終目的地まで通し発券したり、受託手荷物を通し扱い(スルーバゲージ)するインターライン契約を結んでいる。

ANAの羽田発ストックホルム行き初便NH221便の乗客に手渡された記念品=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの羽田発ストックホルム行き初便NH221便の乗客に手渡された記念品のひとつ和光のしおり=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの羽田発ストックホルム行き初便NH221便の乗客に手渡された記念品=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

2タミ国際線19路線に

 日本の航空会社がストックホルムへ定期便を開設したのは初めてで、日本とスウェーデンを結ぶ唯一の直行便となる。

羽田空港第2ターミナル国際線施設で開かれた羽田-ストックホルム線就航式典で記念撮影に応じるANAの平澤専務ら=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナル国際線施設で開かれた羽田-ストックホルム線就航式典でスウェーデンの魅力を語るLiLiCoさん=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 31日に羽田で開かれた就航式典には、ヴィクトリア・リー駐日スウェーデン大使や、スウェーデン出身のタレント、LiLiCoさん、ANAの社員アスリートでスウェーデンの女子ホッケートップリーグのチーム、リンシェーピングホッケークラブ所属の床泰留可(とこ・はるか)選手らが出席。直行便就航を祝った。乗客へ手渡された記念品は、オリジナルのステンレスボトルや銀座・和光が手掛けたしおり、コーヒーパック、ノート、搭乗証明書、スウェーデンの陶芸作家リサ・ラーソンの陶器オブジェがモデルのキーホルダー、FIFA FABRIKENの焼き菓子などが用意された。

 搭乗口での乗客への記念品贈呈は、グランドスタッフ(地上旅客係員)や客室乗務員のほか、普段は利用者と顔を合わせる機会がほぼない整備士たちも参加していた。

 ストックホルム線の就航で、羽田第2ターミナルの国際線施設からは、1日あたり国際線19路線29便が出発するようになった。

 ANAはミラノ、ストックホルムに続き、2月12日に羽田-イスタンブール線を就航させ、12月から1カ月ごとに開設してきた欧州3路線が完成する。

*写真は25枚(運航スケジュールは写真下に掲載)。

羽田空港で出発を待つANAのストックホルム行き初便NH221便=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナル国際線施設で開かれた羽田-ストックホルム線就航式典で挨拶するヴィクトリア・リー駐日スウェーデン大使=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナル国際線施設で開かれた羽田-ストックホルム線就航式典でスウェーデンの魅力を語るLiLiCoさん(右)とANA社員アスリートの床泰留可選手=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の73番搭乗口からANAのストックホルム行き初便NH221便に搭乗する乗客=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の73番搭乗口に並ぶANAのストックホルム行き初便NH221便の乗客=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港でストックホルム行き初便NH221便の乗客に記念品を手渡すANAのグランドスタッフ=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港でストックホルム行き初便NH221便の乗客に記念品を手渡すANAの整備士=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港でストックホルム行き初便NH221便の出発前に記念撮影に応じるANAの社員ら=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港を出発するANAのストックホルム行き初便NH221便を見送る社員ら=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港を出発するANAのストックホルム行き初便NH221便のコックピットから手を振るパイロット=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港を出発するANAのストックホルム行き初便NH221便を見送る社員ら=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港を出発するANAのストックホルム行き初便NH221便を見送る社員ら=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港を出発するANAのストックホルム行き初便NH221便=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港を出発するANAのストックホルム行き初便NH221便=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港を出発するANAのストックホルム行き初便NH221便=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAのストックホルム行き初便NH221便が出発した羽田空港の73番スポット=25年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

運航スケジュール
NH221 羽田(00:30)→ストックホルム(06:20)運航日:火金日
NH222 ストックホルム(09:35)→羽田(翌日07:20)運航日:火金日

関連リンク
全日本空輸

ミラノ線
ANA、ミラノ初便が羽田へ 井上社長「日伊関係強くする路線」(24年12月3日)
ANA井上社長、ミラノ増便視野 時期未定も「デイリー必須」(24年12月5日)
ANA、羽田-ミラノ就航 25年ぶり、貨物も期待(24年12月3日)
ルフトハンザ、ITAを子会社化 伊フラッグキャリア株41%取得(25年1月19日)

スカンジナビア航空
脱退後のスタアラ塗装機、SASはどう“処理”したか 尾翼は黒塗りに(24年12月10日)
スカンジナビア航空、スカイチーム正式加盟(24年9月2日)
ANAとスカンジナビア航空、マイル提携8/31終了 コードシェアは継続(24年8月5日)
スカンジナビア航空、スカイチーム加盟へ スターアライアンス発足5社初の脱退(23年10月4日)
エールフランス-KLM、スカンジナビア航空と資本業務提携へ(23年10月4日)
スカンジナビア航空、米連邦破産法11条申請 運航継続もスト影響(22年7月6日)

欧州路線
ANA、羽田-ミラノ12月就航 ストックホルム・イスタンブールは年明け、欧州路線拡大(24年7月19日)