日本政府観光局(JNTO)の訪日外客数推計値によると、2024年12月の訪日客数は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行前となる2019年同月比38.1%増の348万9800人で、単月の過去最高を2カ月ぶりに更新した。出国した日本人は30.7%減の118万7200人で、コロナ前の7割前後の回復が続いている。
—記事の概要—
・24年12月の動向
・方面別実績
24年12月の動向
JNTOが重点市場としているのは23カ国・地域で、このうち韓国、香港、シンガポール、インドネシア、フィリピン、豪州の6市場で単月の過去最高を記録。台湾、ベトナム、インド、米国、カナダ、メキシコ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、北欧、中東の13市場で12月の過去最高となった。12月は学校休暇のほかクリスマス・年末年始により、多くの市場で旅行需要が高まった。
2024年に入り単月の過去最高を更新するのは3月と6月、7月、10月に続き5回目で、1964年の統計開始以来、単月として初めて340万人を突破した。
方面別実績
方面別に見ると、アジアでは韓国が86万7400人(19年同月比3.49倍)で23市場最多の訪日客数となった。中国は60万4200人(14.9%減)、台湾は49万1200人(41.0%増)、香港は28万5600人(14.4%増)、インドは1万7000人(44.8%増)だった。
ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国では、タイが14万6700人(11.1%減)、シンガポールが13万6200人(35.7%増)、マレーシアが7万1600人(8.5%減)だった。インドネシアは7万5000人(26.7%増)、フィリピンは10万8500人(33.1%増)、ベトナムは4万人(30.7%増)だった。
欧州では、英国が3万300人(9.2%増)、フランスが2万700人(2.2%増)、ドイツが1万5800人(15.8%増)。イタリアは1万5100人(34.9%増)、スペインは1万500人(43.9%増)、ロシアは5900人(33.2%減)、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドの4カ国で構成する「北欧地域」は1万600人(7.4%増)だった。
サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、オマーン、カタール、クウェートのGCC(湾岸協力理事会)の加盟6カ国にトルコとイスラエルを加えた8カ国で構成する「中東地域」は、1万2600人(2.26倍)だった。
米大陸では米国が23万8500人(65.1%増)、カナダは4万8300人(37.5%増)、メキシコは1万2000人(84.6%増)だった。オセアニアでは、豪州が11万2500人(54.8%増)だった。そのほかの国・地域からは11万3600人(41.2%増)が入国した。
・24年訪日客、過去最高3686万人 出国日本人は5年ぶり1000万人超え(25年1月15日)
・24年訪日客、過去最高を更新 1-11月累計でコロナ前上回る(24年12月19日)