ボーイングの2024年10-12月期(第4四半期)実績は、民間機引き渡しが前年同期比100機(63.7%)減の57機だった。ストライキによる生産停止が影響し、2四半期ぶりに前年同期を下回り、前年同期の4割弱にとどまった。一方、受注は354機(58.2%)減の254機となった。競合のエアバスは10-12月期に123機(前年同期112機)を引き渡し、99機(同807機)を受注した(関連記事)。
—記事の概要—
・引き渡し
・受注
・24年10-12月期 納入と受注
引き渡し
機種別で見ると、引き渡しは737が36機(前年同期は110機)、767が3機(15機)、777が3機(9機)、787は15機(23機)だった。
787の内訳は、長胴型の787-9が9機、超長胴型の787-10が6機で、標準型の787-8はゼロだった。
737は36機中35機が737 MAXで、ユナイテッド航空(UAL/UA)やライアンエア(RYR/FR)、ゴル航空(GLO/G3)など各社で導入が進んだ。一方、ボーイング最大の労働組合IAM(国際機械技術者協会)が現地時間9月13日からストライキに突入し、737 MAXの生産に影響が出た。ストは11月4日に2カ月弱で終結したものの、90機だった同年7-9月期(第3四半期)と比較すると4割程度の実績となった。
受注
受注は737が183機(前年同期は421機)、767が23機(15機)、777が8機(94機)、787が40機(78機)だった。
737は183機すべて737 MAXで、このうち100機はトルコLCCのペガサス航空(PGT/PC)から受注した。
787は40機すべてが787-9で、このうち30機をフライドバイ(FDB/FZ)から受注した。残り10機はチリのラタム航空(LAN/LA)を傘下に持つLATAM(ラタム)航空グループから受注。このうち5機のエンジンはGEエアロスペース製GEnx-1Bを選定し、残りの5機は未定となっている。
24年10-12月期 納入と受注(括弧内は前年同期の実績)
納入 737 36(110) 767 3(15) 777 3(9) 787 15(23) 合計 57(157)
受注 737 183(421) 767 23(15) 777 8(94) 787 40(78) 合計 254(608)
関連リンク
Boeing
ボーイング・ジャパン
国内航空各社への影響
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ストライキ
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・ボーイング、16年ぶりストで737MAX生産停止 最大労組が暫定合意否決(24年9月14日)
期中の動き
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オーダー&デリバリー
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