日本政府観光局(JNTO)が1月15日に発表した訪日外客数2024年推計値によると、訪日客数は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行前となる2019年比15.6%増の3686万9900人で、過去最高だった2019年を500万人近く上回った。円安を背景とした訪日需要の高まりにより、花見や紅葉などの季節を中心に各市場で過去最高を更新した。
出国日本人数は2019年比35.2%減の1300万7300人で、2019年以来5年ぶりに1000万人を上回った。
—記事の概要—
・24年の年間動向
・方面別実績
24年の年間動向
訪日客数の最高記録は、2019年の3188万2049人。JNTOが重点市場としているのは23カ国・地域で、このうち前年を割り込んだ中国とタイ、ロシアの3市場を除く20市場で年間の過去最高を更新した。
JNTOは2024年の訪日客数について、桜・紅葉シーズンや夏の学校休暇など、ピークシーズンを中心に各市場が単月での過去最高を更新したことで、年間記録の更新に繋がったと分析。韓国や台湾などの東アジアに加え、東南アジアや欧米豪・中東からの訪日需要が旺盛だったという。
方面別実績
方面別に見ると、アジアでは韓国が881万7800人(19年比57.9%増)となり、23市場で最多で唯一の800万人超え。中国は698万1200人(27.2%減)、台湾は604万4400人(23.6%増)だった。香港は268万3500人(17.1%増)、インドは23万3000人(32.5%増)だった。
ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国では、タイが114万8900人(19年比12.9%減)、シンガポールが69万1100人(40.4%増)、マレーシアが50万6800人(1.0%増)だった。インドネシアは51万7600人(25.4%増)、フィリピンは81万8700人(33.5%増)、ベトナムは62万1100人(25.5%増)だった。
欧州では、英国が43万7200人(3.0%増)、フランスが38万5000人(14.5%増)、ドイツが32万5900人(37.8%増)。イタリアは22万9700人(41.1%増)、スペインは18万2300人(40.0%増)、ロシアは9万9300人(17.3%減)、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドの4カ国で構成する「北欧地域」は15万700人(6.9%増)だった。
サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、オマーン、カタール、クウェートのGCC(湾岸協力理事会)の加盟6カ国にトルコとイスラエルを加えた8カ国で構成する「中東地域」は、訪日数が16万6300人(74.8%増)だった。
米大陸では米国が272万4600人(58.1%増)、カナダは57万9400人(54.4%増)、メキシコは15万1800人(2.11倍)だった。オセアニアでは、豪州が92万200人(48.0%増)だった。そのほかの国・地域からは145万3400人(35.5%増)が入国した。
・23年訪日客、4年ぶり2500万人超え 水際撤廃で急回復(24年1月18日)
・22年訪日客、本格回復に至らず コロナ前の1割、前年比15倍超383万人(23年1月20日)
・2021年訪日客、過去最低24.5万人 45年ぶり100万人割れ(22年1月20日)
・2020年訪日客、87.1%減411万人 東日本大震災以来9年ぶり前年割れ(21年1月21日)
・19年訪日客、過去最高も伸び鈍化 韓国25.9%減響く(20年1月17日)
・訪日客、過去最高8.7%増3119万人 18年、地震・台風から需要回復(19年1月17日)
・訪日客、過去最高19%増2869万人 17年、中韓700万人台(18年1月19日)
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