ボーイングは現地時間1月14日、2024年の民間機の年間納入機数が、前年比180機減の348機だったと発表した。同年1月に発生した737 MAX 9のドアプラグ脱落事故や、ストライキによる生産停止などが影響し、前年(23年)比34%減の実績にとどまった。
総受注からキャンセルと機種変更を差し引いた「純(ネット)受注」は377機(前年比937減)。受注残は619機増の6245機となった。競合のエアバスは納入が766機(前年比31機増)、純受注は826機(同1268機減)で、納入・純受注ともに2019年から6年連続でボーイングがエアバスを下回った。
納入を機種別でみると、737が265機(前年比131機減)、767は18機(14機減)、777は14機(12機減)、787は51機(22機減)。純受注は737が244機(639機減)、767が23機(7機減)、777が62機(38機減)、787が48機(253機減)となった。
265機引き渡した737のうち737 MAXは260機で、2024年納入数の約74%が737 MAXとなった。一方、2024年1月5日にはアラスカ航空(ASA/AS)が運航する737 MAX 9のドアプラグが離陸直後に脱落する事故が発生したことで、納入・受注ともに低調に推移した。また、ボーイング最大の労働組合IAM(国際機械技術者協会)が9月13日からストライキに突入し、737 MAXの生産に影響が出たが、11月4日に2カ月弱で終結している。
787納入の内訳は標準型の787-8が1機、長胴型の787-9が29機、超長胴型の787-10が21機。このうち日系航空会社へは787-9を2機、787-10を4機引き渡し、いずれも全日本空輸(ANA/NH)が受領した。
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Boeing
ボーイング・ジャパン
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