日本航空(JAL/JL、9201)の鳥取三津子社長は1月7日、サプライチェーン問題による世界的規模で続いている機体メーカーの納入遅延について、「織り込み済み。退役延長などで対応していく」との考えを示した。受領中の新機材エアバスA350-1000は、ほぼ計画通り受領できているという。
JALなど世界の航空各社が加盟する業界団体IATA(国際航空運送協会)は、今年もサプライチェーンの混乱による機体の納入遅延や部品不足などが世界規模で続くと予測。JALが受領中の次世代国際線機材であるA350-1000について、鳥取社長は「(受領する機材の)順番が多少前後しているが順調。ボーイングからは遅れの情報を頂いている」と述べ、当初計画よりも機材の受領が遅れる前提で計画を立てているという。
A350-1000は、長距離国際線機材であるボーイング777-300ER型機の後継機で、同数の13機を発注済み。現在7機受領しているが、7号機(登録記号JA07WJ)はエアバスの製造上の問題で引き渡しが後ろ倒しとなっており、8号機(JA08WJ)を先に受領。2025年度には11機体制となり、パリや米西海岸などを軸に投入路線の検討を進める。
一方、更新対象となる777-300ERは、昨年2024年8月20日に初の退役機(JA734J)が出て、現在は12機となっている(関連記事)。半数を超える後継機がそろった現在も大半が手元に残っている状態で、今後A350以外の機種で納入遅延が起きた際などに、機材繰りに余裕を持たせる狙いがあるようだ。
JALは昨年7月にロンドン近郊で開かれたファンボロー航空ショーで、エアバスにA350-900を20機とA321neoを11機の計31機を正式発注したと発表。ボーイングにも787-9を最大20機正式発注した。
エアバス機は、A350-900を2027年度から国際線、JAL初導入のA321neoは2028年から国内線に投入。また、昨年1月2日に起きた羽田事故で全損となったA350-900の13号機(JA13XJ)については、代替機を2025年度下期に受領する。
ボーイングに発注した787-9は、確定発注10機とオプション10機で、国際線機材として2028年度から受領を計画している。昨年3月の導入発表時に、JALの赤坂祐二会長(当時社長)は当紙の取材に対し、傘下の中長距離LCCであるZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)向けにも787-9の導入を検討していることを明らかにしている。また、737-800の後継機として、737-8(737 MAX 8)を2026年度から国内線に21機導入する計画を進めている。
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