韓国の国土交通部(日本の国土交通省に相当)は、南西部の務安(ムアン)国際空港で昨年(24年)12月29日に起きたチェジュ航空(JJA/7C)のバンコク発務安行き7C2216便(ボーイング737-800型機、登録記号HL8088)事故で、2基あるエンジンを現場から回収する作業や、尾翼、ランディングギア(主脚)の調査を進めている。米国で解析するFDR(フライトレコーダー、飛行記録装置)は、あす現地時間1月6日に韓国を出る見通し。
韓国で作業を進めているCVR(コックピットボイスレコーダー、操縦室音声記録装置)については、抽出したデータを音声へ変換する作業が4日午後の時点で同日中に完了予定と発表。FDRについては、米国移送とともに韓国の事故調査委員会から2人が派遣される。
国土交通部によると、事故機と同型機を保有する韓国国内の航空6社に対し、整備分野の特別安全点検を実施中で、10日までに終える予定。韓国では6社合わせて101機の737-800が運航されており、チェジュ航空が39機、ティーウェイ航空(TWB/TW)が27機、ジンエアー(JNA/LJ)が19機、イースター航空(ESR/ZE)が10機、エア・インチョン(AIH/KJ)が4機、大韓航空(KAL/KE)が2機となっている。
また、韓国国内の滑走路周辺にある航行安全施設の特別点検を8日まで実施中。各航空会社の自主的な安全強化対策の実施状況についても点検を進めている。
7C2216便には、乗客175人と乗員6人(パイロット2人、客室乗務員4人)の計181人が搭乗しており、けがをした客室乗務員2人を除く179人が亡くなり、韓国で起きた航空事故では過去最悪の犠牲者数となった。
関連リンク
Ministry of Land, Infrastructure and Transport
National Transportation Safety Board
Aviation and Railway Accident Investigation Board
チェジュ航空
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