成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)の2024年4-9月期(25年3月期第2四半期)連結決算は、純利益が前年同期比5.30倍の195億1300万円で、中間期としては2期連続の黒字となった。
営業収益は27.9%増の1276億6700万円、営業利益は5.28倍の228億9600万円、経常利益は6.41倍の220億3200万円だった。円安を背景として訪日客が上期として初めて1000万人を超えたことなどから、営業収益は上期として民営化以降の最高値を更新。4期連続で増収となった。
2025年3月期通期予想は、リテール事業の物販・飲食収入や構内営業料収入が上振れしていることから、営業収益と営業利益、経常利益、純利益を上方修正した。
—記事の概要—
・24年4-9月期
・25年3月期予想
24年4-9月期
4-9月期の国際線と国内線を合せた総発着回数は前年同期比16%増(19年同期比10%減)の12万2000回、総旅客数は20%増(12%減)の1992万5519人、国際航空貨物量は7%増(4%減)の97万9645トンとなった(関連記事)。
セグメント別では、空港運営事業は営業収益が516億円(前年同期比23.4%増)で営業損益が30億8000万円の赤字(前年同期は135億1600万円の赤字)、リテール事業は営業収益が598億6300万円(41.8%増)で営業利益が196億6200万円(69.9%増)、施設貸付事業は営業収益が147億600万円(3.1%増)で営業利益が59億2800万円(0.6%増)、鉄道事業が売上高14億9700万円(0.3%増)で営業利益が3億7700万円(5.1%減)だった。
空港運営事業は、国際線の旅客便発着回数と旅客数が前年同期を大幅に上回り、航空需要が順調に回復。空港使用料収入が前年同期比14.4%増の171億3900万円、旅客施設使用料収入が同41.1%増の213億4400万円となった。
免税店などのリテール事業も、旅客数の増加のほか円安が続いていることから、物販・飲食収入は同40.8%増の459億8200万円、構内営業料収入は同47.5%増の62億8200万円となった。
施設貸付事業は、旅客増に伴う駐車場使用料の収入増により増収となった。
財務状況は、2023年度末比226億円(1.8%)増の1兆2645億円で、負債合計は長期借入金が増加したものの、1年内償還予定の社債への振替などにより、同46億円(0.5%)増の9971億円となった。
25年3月期予想
2025年3月期通期の連結業績見通しは、前回5月30日発表から営業収益と営業利益、経常利益、純利益を上方修正。営業収益は当初見通しから120億円上方修正し2551億円で4期連続の増収、営業利益は79億円上方修正し279億円、経常利益は95億円上方修正し262億円、純利益は100億円上方修正し221億円で、2期連続の黒字を見込む。
セグメント別では、空港運営事業は営業収益が1050億円(10億円上方修正)、営業損益が187億円の赤字(18億円上方修正)、リテール事業は営業収益が1173億円(102億円上方修正)、営業利益が363億円(47億円上方修正)となる見通し。施設貸付事業は営業収益が298億円(9億円上方修正)、営業利益が97億円(13億円上方修正)、鉄道事業は据え置きで、営業収益が前期比2.9%減の29億円、営業利益が15.4%減の6億円となる見通し。
一方、航空取扱量の見通しは据え置いた。航空需要はコロナ前に迫る水準まで回復すると想定。国際線はLCCの増便に加え、中国からの訪日需要の回復が通期化する見通し。国内線の旅客数は前期並みの水準での推移を見込み、新規貨物便があることから発着回数が前期を上回るとみている。2024年度の国際線と国内線を合わせた総旅客数は前年度比13.2%増の3990万人、総発着回数は14.2%増の25万1000回、国際航空貨物量は2.9%増の190万トンを見込む。
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