ANAホールディングス(9202)は1月23日、那覇空港のLCC(低コスト航空会社)専用ターミナルに国際線用施設を2月10日に開設すると発表した。搭乗手続きに必要な保安検査や税関、出入国施設を整備し、ANAHDが出資するピーチ・アビエーション(APJ)が同日から使用する。
那覇のLCCターミナルは、ANAが借り受けている那覇空港貨物ターミナル内の一部施設を旅客用に改装したもの。これまでは国内線用施設のみだったが、2月からは国際線も同じターミナル内で一体運用できるようになる。
現在APJが那覇から運航している台北(桃園)線は、既存の国際線ターミナルで搭乗手続きを行った後、LCCターミナルに駐機している機体へ向かうため、搭乗に10分程度時間がかかっている。今後はLCCターミナル内で搭乗手続きが行えるようになるため、国内線と国際線の乗り継ぎ時間を短縮できる。また、APJの乗り場が統一されることで、旅慣れていない人でも利用しやすくなる。
APJは7月19日から那覇空港を関西空港に次ぐ第2ハブ(拠点)として運用を開始し、エアバスA320型機を1機常駐させる。A320を整備できるようになるため、那覇発着の路線を増やすことが可能になる。A320の場合、片道4時間程度の運航が可能のため、ベトナムのハノイなどが就航地として視野に入る。
同ターミナルには、APJのほかにANAHDの100%子会社であるバニラエア(VNL)が就航。APJが関西-那覇線を1日3往復、那覇-石垣線を1日1往復、那覇-台北線を1日1往復運航しており、第2ハブの運用を開始する7月19日からは那覇-福岡線を新設する。VNLは成田-那覇線を1日3往復運航している。
国際線施設2090平方メートルの増床により、3082平方メートルだった同ターミナル上屋内の面積は、5172平方メートルに増える。
2013年のLCCターミナルの利用者は、1年間に国内線のみで約40万人。ANAHDでは、16年度末までに同ターミナルの利用者数を国際線と国内線合わせて200万人を目指す。
【お知らせ】
最終段落の利用者目標数について、記事初出時に「中期的に」としていましたが、ANAホールディングスから具体的な時期について「2016年度末までに」との回答が来ましたので、本文に反映しました。(2014年1月23日 14:47 JST)
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