大韓航空(KAL/KE)は現地時間12月12日、アシアナ航空(AAR/OZ)の株式を取得し子会社化したと発表した。大韓航空はアシアナが新体制へ移行後、2年程度の準備期間ののちに両社の統合を完了する見通し。
取得したアシアナの株式は、63.88%に当たる1億3157万8947株。アシアナは2025年1月16日の臨時株主総会で新理事を選任し、新体制へ移行する。両社の統合後は重複路線の時間帯の多様化、新路線就航などのサービス向上を目指すほか、安全運航への投資も進める。また統合後は人員調整せず、統合による業務増加に備える。重複する一部人材は、必要部署への再配置を計画。またマイレージは、両社間の交換率を6月までに韓国公正取引委員会へ報告し、利用客へ公表する見通し。
大韓航空を傘下に持つ韓進(ハンジン)グループは、アシアナ航空の買収を2020年11月16日に決議。2021年1月14日に韓国公取委へ企業結合を届け出て、統合へ必要な14カ国・地域での競争法上の審査を開始した。
韓国を含む14カ国・地域のうち承認が最も早かったのはトルコで、2021年2月4日に承認を受けた。その後は台湾、タイ、フィリピン、マレーシア、ベトナム、シンガポール、韓国、豪州、中国、英国で承認され、日本の公正取引委員会からは今年1月31日に「排除措置命令を行わない旨の通知書」を受領した。
米国には、11月26日付で米司法省(DOJ)へアシアナ航空の新株取得を伝達済み。欧州はEC(欧州委員会)が審査を進め、ECはアシアナ航空の貨物部門の分離売却と、両社が重複する欧州の旅客4路線へ参入する競合他社への支援の2点を今年2月に求めており、これらの条件を満たしたことから11月28日付で最終承認に至った。
・大韓・アシアナ統合、欧州が最終承認 残りは米国、年内完了へ(24年11月29日)
・大韓・アシアナ統合、欧州が条件付き承認 重複路線を移管、ティーウェイへ(24年2月14日)
・大韓・アシアナ統合、日本の公取が審査完了 排除命令せず(24年1月31日)
・大韓・アシアナ航空統合、欧州が異議 競争制限の可能性指摘、8月に最終決定(23年5月18日)
・大韓・アシアナ航空統合、英当局が条件付き承認 英社参入求める(23年3月3日)
・大韓・アシアナ航空統合、豪委員会が承認(22年9月2日)
・大韓航空、アシアナ航空とスルーチェックイン 出発地で乗継ぎ便手続き(20年12月15日)
・大韓航空、アシアナ航空1700億円で買収へ(20年11月16日)