国土交通大臣の諮問機関である運輸審議会は、全日本空輸(ANA/NH)や日本航空(JAL/JL、9201)など国内航空会社17社が提出した混雑空港への運航許可申請について、許可することが適当であると国交相に12月3日付で答申した。国土交通省航空局(JCAB)が正式に許可した場合の運航開始日は2025年2月1日で、17社はこれまで通り運航を継続する見通し。
—記事の概要—
・25年1月末で期限切れ
・申請社最多は福岡
・混雑5空港は事前許可制
25年1月末で期限切れ
今回の申請は、2025年1月末で期限が切れる運航許可の延長によるもので、国交相からは11月1日付で諮問があった。運航許可を申請した17社のうち、成田と羽田、伊丹、関西、福岡の5空港すべてで申請したのはANAとJAL、ANAウイングス(AKX/EH)の3社。ジェイエア(JAR/XM)は、成田を除く4空港で申請した。
日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)とスターフライヤー(SFJ/7G、9206)は、羽田と関空、福岡の3空港で申請。ピーチ・アビエーション(APJ/MM)とジェットスター・ジャパン(JJP/GK)の申請は、成田と関空、福岡の3空港となった。
スカイマーク(SKY/BC、9204)とエア・ドゥ(ADO/HD)、ソラシドエア(SNJ/6J)は羽田と福岡の2空港、日本エアコミューター(JAC/JC)とアイベックスエアラインズ(IBX/FW)、天草エアライン(AHX/MZ)の3社は、伊丹と福岡の2空港で申請。スプリング・ジャパン(旧春秋航空日本、SJO/IJ)は、成田と羽田で申請した。
1空港のみはフジドリームエアラインズ(FDA/JH)とオリエンタルエアブリッジ(ORC/OC)の2社で、いずれも福岡で申請した。
申請社最多は福岡
空港別でみると、5空港のうち最多の16社が申請したのは福岡で、運航路線は27路線。2月1日から冬ダイヤ最終日の3月29日までの1日平均の運航数(往復)は190.3往復となる。路線数・便数の最多は羽田で、10社が申請し49路線を1日平均502.8往復運航する。
関空は8社が申請し、12路線を1日平均58.7往復運航する。伊丹への申請は7社で、26路線を1日平均185往復運航。成田は6社が申請し、18路線を1日平均58.7往復運航する。
混雑5空港は事前許可制
成田と羽田、伊丹、関西、福岡の5空港は、乗り入れに国交相による事前許可を必要な「混雑空港」に指定されている。審議会では許可が妥当かを審議する。運輸審議会での審議対象となるのは、混雑空港に乗り入れる国内線のみで、国際線は対象外となる。
航空会社に対する、混雑空港への運航許可は5年間有効。前回各社が申請したのは2019年で、前回の延長申請からは、2016年3月から混雑空港に指定された福岡空港も対象となった。
関連リンク
国土交通省
全日本空輸
ANAウイングス
日本航空
日本トランスオーシャン航空
ジェイエア
日本エアコミューター
スカイマーク
エア・ドゥ
ソラシドエア
スターフライヤー
ピーチ・アビエーション
ジェットスター・ジャパン
スプリング・ジャパン
アイベックスエアラインズ
フジドリームエアラインズ
オリエンタルエアブリッジ
天草エアライン
国交相から諮問
・混雑5空港、国内17社が運航延長申請 運輸審議会で審議(24年11月5日)
前回の延長申請
・国交省、国内18社の混雑空港乗り入れ許可 福岡は最多15社(20年1月14日)
・運輸審議会、混雑5空港の就航妥当 17社継続、エアアジア・ジャパンは新規(19年12月23日)
・混雑5空港、国内17社が運航延長申請 エアアジア・ジャパンは新規(19年11月22日)
前回以降の申請
・ヤマトのA321クロネコ貨物機、羽田8/1就航 スプリング・ジャパン運航を国交省許可(24年6月22日)
・運輸審議会、スプリング・ジャパンの羽田就航「適当」 8/1から“クロネコ貨物機”(24年6月13日)
・スプリング・ジャパンの羽田就航、運輸審議会が審議 “クロネコ貨物機”で2路線(24年5月10日)
・運輸審議会、エア・ドゥの福岡就航妥当(22年6月6日)
・エア・ドゥの福岡就航、運輸審議会が審議(22年5月13日)
・運輸審議会、ソラシドの福岡就航妥当(20年3月3日)
・ソラシドの福岡就航、運輸審議会が審議(20年2月3日)
福岡も混雑空港に
・福岡空港、混雑空港指定へ 発着回数制限(15年9月4日)