日本航空(JAL/JL、9201)は12月9日、空港内のグランドハンドリング(グラハン、地上支援)業務に使用する電動の特殊車両を導入すると発表した。貨物の搭載に使用するハイリフトローダー(HL)とベルトローダー(BL)の2車種で、羽田空港で17日から本格運用する。両車種とも国内の航空会社では初めて電動化し、二酸化炭素(CO2)の排出量ゼロなど、空港の脱炭素化を加速させる。
HLは貨物室に貨物を搭載する車両で、電動のものは独TREPEL社製を導入する。BLは空港内で飛行機の貨物室に手荷物を搭載する際に使う車両で、電動のものはスペインのEINSA社製を導入する。いずれもフル充電で1-2日の作業が可能だという。両車種を電動化することでCO2の排出量ゼロに加え、静音性も向上。作業員の労働環境改善や、空港周辺の騒音・環境問題の軽減にもつながる。
JALグループは、貨物コンテナなどを牽引(けんいん)する車両「トーイングトラクター」を2022年度に電動化済み。JALは中期経営計画でCO2削減を掲げており、2050年に実質ゼロを目指す。取り組みの一環として、空港の制限区域内で使用する特殊車両の電動化などに取り組む。
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