日本政府観光局(JNTO)の訪日外客数推計値によると、2024年10月の訪日客数は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行前となる2019年同月比32.7%増の331万2000人で、単月の過去最高を3カ月ぶりに更新した。また1-10月までの10カ月間の累計は3019万2600人となり、1964年の統計開始以来最速で3000万人を突破した。出国した日本人は31.0%減の114万8400人で、コロナ前の7割近くまでの回復が続いている。
—記事の概要—
・24年10月の動向
・方面別実績
24年10月の動向
JNTOが重点市場としているのは23カ国・地域で、このうちカナダとメキシコ、ロシア、北欧の4市場で単月の過去最高を記録。中国とタイ、英国を除く残りの16市場で、10月の過去最高となった。
10月は紅葉シーズンを迎えたことから、多くの市場で訪日需要の高まりがみられた。東アジアでは中国、東南アジアではシンガポール、欧米豪・中東では米国などで訪日客が増加し、10月の押し上げにつながった。中国は戻りが鈍いものの、地方路線の増便などによりコロナ前の8割近くまでの回復が続いている。
方面別実績
方面別に見ると、アジアでは韓国が73万2100人(19年同月比3.71倍)で23市場最多の訪日客数となった。中国は58万2800人(20.2%減)、台湾は47万8900人(15.8%増)、香港は19万8800人(10.1%増)、インドは2万1700人(55.8%増)だった。
ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国では、タイが13万2200人(9.0%減)、シンガポールが6万8800人(64.1%増)、マレーシアが5万5100人(12.8%増)だった。インドネシアは4万3200人(26.7%増)、フィリピンは8万200人(24.0%増)、ベトナムは5万1000人(9.7%増)だった。
欧州では、英国が5万1600人(24.6%減)、フランスが4万9400人(25.2%増)、ドイツが4万3300人(64.8%増)。イタリアは2万5100人(70.4%増)、スペインは2万3400人(70.3%増)、ロシアは1万5700人(9.4%増)、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドの4カ国で構成する「北欧地域」は1万8700人(23.9%増)だった。
サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、オマーン、カタール、クウェートのGCC(湾岸協力理事会)の加盟6カ国にトルコとイスラエルを加えた8カ国で構成する「中東地域」は、2万900人(74.8%増)だった。
米大陸では米国が27万8500人(81.6%増)、カナダは6万6500人(76.5%増)、メキシコは1万9200人(2.60倍)だった。オセアニアでは、豪州が9万200人(74.9%増)だった。そのほかの国・地域からは16万4700人(31.7%増)が入国した。
・1-9月の累計訪日客、23年暦年超え 9月単月は287万人(24年10月17日)