エアライン, 業績, 需要, 需要予測, 需要実績 — 2024年11月1日 23:27 JST

AirJapan、4-9月期利用率55.3% 運賃見直しで通期69.7%想定

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 ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のエアージャパン(AJX/NQ)が今年2月から運航を始めた新ブランド「AirJapan」の2024年4-9月期(25年3月期第2四半期)の売上高は42億円、ロードファクター(座席利用率、L/F)は55.3%だった。定時到着率が改善したことや、運賃体系を冬ダイヤ搭乗分から見直したことで、下期(10月-25年3月期)のL/Fは83.1%、通期では69.7%を想定している。

4-9月期の利用率が55.3%だったAirJapan=24年8月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 AirJapan便は、FSC(フルサービス航空会社)の全日本空輸(ANA/NH)、LCC(低コスト航空会社)のピーチ・アビエーション(APJ/MM)に続くANAグループ第3のブランドで、訪日外国人が主なターゲット。機材はボーイング787-8型機で、座席数は1クラス324席でエコノミークラスのみ。

 2月9日に1路線目の成田-バンコク(スワンナプーム)線を開設当初は1機だったが、4月10日から2機体制となり、現在はバンコク線と4月29日就航のソウル(仁川)線を週7往復(1日1往復)ずつ、4月26日就航のシンガポール線を週5往復運航している。

 4-9月期の旅客数は16万9000人、座席供給量を示すASK(有効座席キロ)は10億5900万座席キロ、有償旅客を運んだ距離を示すRPK(有償旅客キロ)は5億8500万旅客キロ。売上高をASKで割ったユニットレベニューは4.0円、RPKで割ったイールドは7.2円で、旅客数で割った単価は2万4847円となった。

 同じ期のANA国際線のユニットレベニューは前年同期比0.3%減の13.8円、イールドは0.4%増の17.7円、単価は3.1%減の10万69円。ピーチはユニットレベニューが2.4%増の11.4円、イールドは2.4%増の13.2円、単価は6.8%増の1万5358円となった。

 AirJapan便の下期計画は、旅客数を26万6000人、L/Fは83.1%と想定。通期では旅客数を43万6000人、L/Fは69.7%と見込んでいる。

 定時到着率は4-9月期が82.0%で、このうち4-6月期が87.5%、7-9月期は76.3%。7-9月期を単月で見ると、8月は台風の影響で64.0%にとどまり、7月は81.7%、9月は84.8%と8割台で推移した。4-9月期は8月の値を除外すると85.8%になった(関連記事1)。

 また、運賃は有料オプションを含まないもっとも安価なプラン「Simple」を除き、払戻手数料を冬ダイヤ搭乗分から見直し。これまではソウル線で航空券の一部払い戻しが可能だったが、バンコク線とシンガポール線にも拡大した。座席指定も選択可能な席を拡充した(関連記事2)。

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