全日本空輸(ANA)のボーイング787型機(登録番号JA804A)が2013年1月16日に高松空港へ緊急着陸してから、今日で1年が経った。脱出用シューターを展開した状態で空港にとどまる787の姿は、航空関係者のみならず利用者にも衝撃を与えた。緊急着陸の原因となったのは、メインバッテリーだった。
約1週間前の現地時間7日(日本時間8日)には、米ボストンで日本航空(JAL、9201)の787(登録番号JA829J)の補助動力装置(APU)用バッテリーから出火している。787が採用するリチウムイオン電池や充電器に対する調査が、米国家運輸安全委員会(NTSB)や国土交通省の運輸安全委員会(JTSB)などによって始められた。
ボーイングは対策を講じ、その後のバッテリートラブルを見ても緊急着陸や緊急脱出につながる事態には発展していない。一方で、セルが損傷するメカニズムは完全には解明されていない。
バッテリートラブルは2件
ANAとJALは13年6月1日から787の運航を再開した。両社の787の現状を見てみよう。
保有機数はANAが24機、JALが13機。最新の機体は、ANAが1月8日受領のJA824A、JALは13年12月受領のJA833Jとなる。
6月の運航再開以降、機材の不具合で欠航となったのはANAが26件、JALが1件、2時間以上の遅延はANAが38件、JALが11件だった。バッテリー関連のトラブルは、ANAが11月16日に1件、JALが1月14日の1件(関連記事)と両社で2件となった。ANAのバッテリートラブルは、メインバッテリー充電器の不具合で、充電器交換後は正常に作動している。
1月14日に成田で起きたJAL機のトラブルは、1年前のボストン事案や高松事案と同様、6月の運航再開以来初めてバッテリー損傷につながるトラブルだった。
格納容器は機能するも原因は…
ボーイングが立案したバッテリー改善策は、バッテリーのセル単位でのトラブル発生防止と、不具合が生じた際の
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