エアバスが現地時間10月30日に発表した2024年7-9月期(第3四半期)連結決算は、純利益が前年同期比22%増の9億8300万ユーロ(約1636億4900万円)だった。売上高は5%増の156億8900万ユーロ、調整後EBIT(財務・法人所得税前損益)は39%増の14億700万ユーロの黒字となった。民間機の納入微増などより2期ぶりの増益で、15四半期連続で最終黒字となった。また民間航空機事業のクリスチャン・シェーラーCEO(最高経営責任者)が退任し、後任には独MTUアエロエンジンズCEOのラーズ・ワグナー氏が就任する人事も同日に発表した(関連記事)。
民間航空機部門の売上高は5%増の116億6400万ユーロ、調整後EBITは12%増の10億7400万ユーロの黒字だった。グループ防衛宇宙部門のエアバス・ディフェンス・アンド・スペースは、売上高が6%増の26億2400万ユーロ。調整後EBITは、79%減の1億4600万ユーロの黒字だった。
7-9月期の引き渡しは、前年同期比2機(1.2%)増の174機、受注は140機(70.0%)増の340機。1-9月期の差し引きの「純(ネット)受注」は648機(前年同期比593機減)で、受注残は757機増の8749機となった。
単通路機では世界最長の最大11時間飛行できるA321XLRは、イベリア航空(IBE/IB)へ世界初納入。11月下旬にマドリードからボストンへの大西洋横断便に就航する(関連記事)。小型機はに増産が決定しており、A220は2026年に月産14機、A320ファミリーは2027年に月産75機を目標としている。大型機のうちA350は2028年に月産12機へ引き上げ、A330は2024年に月産4機の目標を継続する。一方、増産に影響する可能性のあるサプライチェーンの課題には、積極的に対処するとしている。
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