日本政府観光局(JNTO)の訪日外客数推計値によると、2024年9月の訪日客数は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行前となる2019年同月比26.4%増の287万2200人で、2カ月連続で300万人を下回ったものの、8カ月連続で同月過去最高を記録した。また1-9月までの9月間の累計は2688万200人となり、2023年暦年の2506万6350人を上回った。出国した日本人は30.8%減の121万2600人で、コロナ前の7割近くまでの回復が続いた。
—記事の概要—
・24年9月の動向
・方面別実績
24年9月の動向
JNTOが重点市場としているのは23カ国・地域で、このうち韓国、台湾、香港、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、豪州、米国、カナダ、メキシコ、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、北欧、中東の18市場で9月の過去最高を記録した。
東アジアでは中国、東南アジアではマレーシア、欧米豪・中東では米国などで訪日客が増加し、9月の押し上げにつながった。戻りが鈍かった中国は、地方路線の増便などによりコロナ前の8割近くまで回復した。
方面別実績
方面別に見ると、アジアでは韓国が65万6700人(19年同月比3.26倍)で、3カ月ぶりに23市場最多の訪日客数となった。中国は65万2300人(20.4%減)で3カ月ぶりに訪日客数トップから陥落。台湾は47万600人(25.1%増)、香港は17万200人(9.2%増)、インドは1万7900人(12.6%増)だった。
ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国では、タイが4万5500人(26.7%減)、シンガポールが3万7400人(28.3%増)、マレーシアが3万9900人(38.6%増)だった。インドネシアは3万5100人(40.3%増)、フィリピンは4万6600人(23.4%増)、ベトナムは4万5800人(19.5%増)だった。
欧州では、英国が3万7400人(24.6%減)、フランスが3万700人(15.7%増)、ドイツが3万7100人(62.9%増)。イタリアは1万9600人(46.8%増)、スペインは1万9000人(65.6%増)、ロシアは1万200人(2.4%減)、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドの4カ国で構成する「北欧地域」は1万2700人(30.6%増)だった。
サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、オマーン、カタール、クウェートのGCC(湾岸協力理事会)の加盟6カ国にトルコとイスラエルを加えた8カ国で構成する「中東地域」は、1万4200人(63.6%増)だった。
米大陸では米国が19万1900人(50.9%増)、カナダは5万人(75.3%増)、メキシコは1万5000人(2.38倍)だった。オセアニアでは、豪州が8万5700人(41.7%増)だった。そのほかの国・地域からは13万700人(20.5%増)が入国した。
・8月の訪日客、6カ月ぶり300万人割れも好調維持(24年9月19日)