エアバスは、大型輸送機A330-700L「ベルーガXL(BelugaXL)」を初めて欧州外へ運航した。A321neoの胴体を仏トゥールーズから中国の最終組立工場がある天津へ運んだ。

中国の天津工場に到着したエアバスのベルーガXLの5号機(同社提供)
ベルーガXLの5号機(登録記号F-GXLN)が、トゥールーズを現地時間10月7日午前9時45分に経由地のカイロへ向かう4Y8001便として離陸。7日にエジプトのカイロからバーレーン、8日にバーレーンからインドのコルカタ(旧カルカッタ)、9日にコルカタを出発し、最終目的地の天津には10日午前0時51分に着陸した。
コルカタのネータージー・スバース・チャンドラ・ボース国際空港では、空港の消防車による放水アーチの歓迎を受けた。

中国の天津工場に到着したエアバスのベルーガXLの5号機(同社提供)

放水アーチによる歓迎を受け経由地のコルカタに到着するエアバスのベルーガXL(同空港のXから)
トゥールーズから天津へ運ばれたのは、ハンガリーのウィズエアー(WZZ/W6)を傘下に持つウィズエアー・ホールディングスが発注したA321neoとみられる。座席数は1クラス239席で、エンジンはPW1100G-JMを選定している。
ウィズエアーは、欧州の航空会社として初めて天津の最終組立工場(FAL Asia)製の機体を受領している。
ベルーガXLは、欧州各地で製造されるエアバス機の翼や胴体などを工場間で運ぶ大型輸送機で、A330-200F貨物機をベースに開発され、2020年1月に就航。1996年1月に就航した中型旅客機A300-600Rを母体としたA300-600ST「ベルーガST(Beluga ST)」の後継機で、ベルーガXLは輸送力をベルーガSTよりも30%向上させ、A350の主翼を2つ同時に運べるようになった。
ベルーガXLは、エアバス機のパーツ輸送に使用。現時点で日本へ飛来したことはない。一方、一線を退いたベルーガSTは、特大貨物輸送サービス「エアバス・ベルーガ・トランスポート(ABT: Airbus Beluga Transport)」へ移籍し、エアバス製のヘリコプターや人工衛星などの輸送に投入されており、日本にも飛来している。
ベルーガXL
・エアバス、ベルーガXL最終6号機が就航 末っ子は笑う”シロイルカ” [3](24年6月10日)
・エアバス、ベルーガXLの5号機初飛行 大型輸送機”シロイルカ”更新進む [4](22年7月23日)
・エアバス、ベルーガXLの4号機就航 A350の主翼運ぶ [5](21年10月8日)
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・ベルーガXL、初飛行成功 19年就航へ [7](18年7月20日)
・エアバス、「笑顔の」ベルーガXL 初号機ロールアウト [8](18年6月29日)
・デザインは「笑顔のシロイルカ」エアバスのベルーガXL、社員投票で決定 [9](17年4月27日)
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ベルーガST 2度目の神戸
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・エアバスの大型輸送機ベルーガ、神戸でヘリ降ろし”日帰り” [14](23年5月10日)
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・神戸にエアバス「ベルーガ」到着 シロイルカ2度目の大型ヘリ輸送 [16](23年5月10日)
神戸に初飛来
・22年ぶり飛来の大型輸送機「ベルーガ」神戸から離日 大型ヘリ運ぶ [17](21年12月25日)
・エアバスのシロイルカ、神戸まで大型ヘリ運ぶ 写真特集・ベルーガ22年ぶり来日 [18](21年12月30日)
ベルーガSTで特大貨物輸送
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