エアライン, 解説・コラム — 2024年10月11日 23:50 JST

AirJapan、4-9月期の定時到着率82.0% 8月の台風影響

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 ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のエアージャパン(AJX/NQ)は10月11日、今年2月から運航を始めた新ブランド「AirJapan」の定時到着率が2024年4-9月期(上期)は82.0%だったことを明らかにした。

4-9月期の定時到着率が82.2%だったAirJapan便=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 このうち4-6月期(第1四半期)は87.5%、7-9月期(第2四半期)は76.3%。7-9月期を単月で見ると、8月は台風の影響で64.0%にとどまり、7月は81.7%、9月は84.8%と8割台で推移した。4-9月期は、8月の値を除外すると85.8%になった。

 運航規模は異なるが、国土交通省航空局(JCAB)が10月11日に公表した大手2社など「特定本邦航空運送事業者」10社が調査対象となる「航空輸送サービスに係る情報公開」の2024年4-6月期分によると、ANAグループのうち対象になる全日本空輸(ANA/NH)の定時到着率は10位の82.53%、ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は6位の88.63%だった。

 AirJapanは、FSC(フルサービス航空会社)のANA、LCC(低コスト航空会社)のピーチに続くANAグループ第3のブランドで、訪日外国人が主なターゲット。ANAのアジア・リゾート路線を運航してきたエアージャパンが、自社ブランドとして1路線目の成田-バンコク(スワンナプーム)線を今年2月9日から、ソウル(仁川)線を同月24日から、3路線目のシンガポール線を4月26日から運航している。

 バンコク線とソウル線は週7往復(1日1往復)で、シンガポール線は週5往復。機材はボーイング787-8型機(1クラス324席)が2機で、2025年度までに6機体制とする計画を進めており、すべてANAが運航していた機材を改修する。

 シートピッチは海外のFSCのエコノミークラスと同等となる32インチ(約81センチ。東南アジアのLCCで主流の28-29インチより広くし、ANAの国際線用787の34インチ、国内線用の31インチの中間となる。

AirJapan便の787-8のシート=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ギャレーを撤去したため広々としたAirJapan便の787-8のL3-R3ドア付近=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ANAHDは、AirJapanをFSCとLCCの間の「ハイブリッドエアライン」と位置づけているが、利用者側の都合による変更やキャンセルなどの規定は、LCC に近い。このため、日本航空(JAL/JL、9201)が100%出資する中長距離LCC、ZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)を競合として比較する利用者が多い。

 また、利用した人のコメントとして、サービスは評価するものの、機材計画などANA側の投資が不十分との意見がみられ、コロナ影響から需要が回復する過程で、ANAHDがどのような投資判断を下すかが注目される。

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