エミレーツ航空(UAE/EK)は10月7日、ビジネスクラスを刷新したボーイング777-300ER型機の報道関係者向け説明会を都内で開いた。日本路線にはドバイ-羽田線に9月から正式投入しており、新設のプレミアムエコノミークラス(プレエコ)とともにサービスを強化した。
—記事の概要—
・全席通路アクセスの新ビジネス
・「来年はポジティブ」
全席通路アクセスの新ビジネス
新仕様機の座席数は4クラス324席か326席で、ファーストクラスが6席か8席、ビジネスクラス38席、プレエコ24席、エコノミー256席。新しいビジネスクラスは従来の2-3-2席配列から1-2-1席配列に変更し、スタッガードシート配列を採用することで全席が通路へ直接アクセスできるようになった。個人用モニターは23インチで、従来と同じくパーソナル・ミニバーを備える。
プレエコは2-4-2席配列で、個人用モニターは13.3インチ。ビジネスとプレエコとも、エアバスA380型機の新仕様機と同じタイプのシートを採用している。
機内サービスでは、ビジネスクラスはこれまでと同様和食も選択でき、日本酒などもそろえる。
サティシュ・セティ日本支社長は「(新仕様機の投入は)羽田が世界で2番目。エミレーツ航空として日本市場は力を入れている」と強調。中東勢ではカタール航空(QTR/QR)がドア付き個室タイプのビジネスクラスを導入するなど、競争が激化する中、エミレーツ航空は羽田発着便でハイヤーによる送迎サービスをファーストクラスとビジネスクラスで実施しており、「エミレーツは常に業界を牽引し続けている。今回のシートも数年後には古いプロダクトになっているだろう」と、さらなるサービスの進化に向けた意気込みを述べた。
エミレーツの日本路線は、羽田・成田・関西の3路線。プレエコは成田が2023年12月20日から、関西は今年6月1日から投入済みで、いずれもA380で運航している。777-300ERのプレエコは羽田が初で、3路線すべてでプレエコのサービスを提供する。同社によると、8月末までにプレエコの航空券を片道で1万1973枚発券しており、カップルや個人、ファミリーと幅広く利用されているという。
「来年はポジティブ」
また、円安や物価高で日本人の海外渡航(アウトバウンド)が伸び悩んでいる状況については「2019年比で30-35%減が続いているが、昨年やおととしよりは伸びており、円安の影響はあるが来年の見通しはポジティブだ」(セティ支社長)という。
「日本人に人気のドバイからの乗り継ぎ先はパリやバルセロナ、ローマだ。日系人の多いブラジルのサンパウロも高需要路線となっている」と説明。また、「経由地のドバイで観光を楽しむ人もいる」と語った。
「ある学校で300人の学生が利用する予定だ。A380であれば一緒に移動できる」と、総2階建ての超大型機であるA380のメリットを活かし、学校の渡航需要も取り込んでいきたいという。
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