エアライン, 空港, 解説・コラム — 2024年9月11日 06:55 JST

ANA、羽田の接客No.1に中井さん 第8回Haneda’s Prideコンテスト

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 全日本空輸(ANA/NH)を中核とするANAグループは9月10日、羽田空港のグランドスタッフ(地上旅客係員)約1800人の中から「おもてなしのチャンピオン」を決めるコンテスト「Haneda’s Prideコンテスト」を開いた。13人の出場者の中から、国際線を担当する中井雅仁さん(旅客サービス4課)がグランプリに輝いた。中井さんは昨年に続いての出場で「羽田の接客No,1」となった。

ANAの第8回Haneda’s Prideコンテストでグランプリに選ばれた中井さん=24年9月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
1人8分で審査
Face Expressレーンを提案

1人8分で審査

 コンテストは2017年から毎年開かれ、今回で8回目。羽田の空港業務を担うANAエアポートサービス(ANAAS)が定めるグランドスタッフに求められる3つの基本行動「気持ちのいい挨拶をする」「常に笑顔でアイコンタクトをする」「美しい所作で魅了する」を体現できる係員を決めるとともに、羽田の係員全体の接遇スキル向上につなげる。

ANAの第8回Haneda’s Prideコンテストでグランプリに選ばれた中井さんの実技審査=24年9月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 羽田の国内線と国際線のグランドスタッフ約1800人の中から13人が出場し、日ごろのおもてなしのスキルを羽田空港近くの総合訓練施設「ANA Blue Base(ABB、ANAブルーベース)」で披露。ABBでの開催は昨年2023年に続いて2回目となり、テーマは「Let’s get ready to ワクワク!~広がれ、幸せの翼~」と、グループ経営ビジョンにちなんだものになった。

 コンテストはロールプレイ形式で、利用者役の社員が登場。国際線が第2ターミナルにも乗り入れていることや、子供が持ってきた風船の取り扱いなど、近年取り扱いが変わった事柄や、ラウンジを利用したい上級会員、子供連れや車いす利用者、急いでいる様子の人など、空港を訪れるさまざまな人たちを想定した出場者ごとに異なるシナリオが用意され、1人あたり8分の持ち時間で応対した。

ANAの第8回Haneda’s Prideコンテストでグランプリに選ばれた中井さんの実技審査=24年9月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 利用者役の社員は1人あたり3組登場。出場者が応対中に、別の利用者が話しかけるといった、日々の業務で起こりうる要素を織り込み、対応力が審査された。審査員は、ANAASの勝岡陽一社長ら3人が務めた。

 今回も例年と同様、審査時間が予定よりも長くなったが、出場者の接客スキルだけでなく、利用者側の立場に立った接客や提案であったかが重視されていた。

Face Expressレーンを提案

 今回グランプリに選ばれた中井さんは、2019年度入社。12人中7番目、前半最後の審査だった。

ANAの第8回Haneda’s PrideコンテストでANAエアポートサービスの勝岡社長(右)からトロフィーを贈られるグランプリの中井さん=24年9月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの第8回Haneda’s Prideコンテストで講評を述べるANAエアポートサービスの勝岡社長=24年9月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 中井さんは、羽田からバンコクを経由してヤンゴンへ向かう手荷物がある利用者、国際線の保安検査場が混雑していて、ファーストとビジネスクラス用の優先レーンを使いたいというエコノミークラスに搭乗する上級会員、子連れで荷物がある羽田からロンドンへ向かう利用者を接客した。

 優先レーンを利用したい上級会員には、顔認証技術を用いた“顔パス(ウォークスルー)”の搭乗手続き「Face Express(フェイスエクスプレス)」のレーンが比較的すいているとして、利用を勧めていた。

ANAの第8回Haneda’s Prideコンテストでグランプリに選ばれた中井さんの実技審査=24年9月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 表彰式で、「まさか自分がグランプリを頂けると思っていなかったので、コメントを考えていませんでした」という中井さんは、「この経験を糧に、後輩育成をがんばっていきたいと思います」と笑顔を見せた。

 昨年のコンテストでは入賞できなかったことから、中井さんは自ら出場したいと立候補し、所属する旅客サービス4課の代表2人のうち1人として出場。今回のコンテストでは、利用者に感謝の言葉を伝えることや、座っている利用者に目線を合わせるといったことを心掛けたという。

 子供のころから飛行機が好きだったという中井さんは「空港でお客さまと接する仕事に魅力を感じていました。特に羽田空港は多くの経験が出来る場所として選びました」と、グランドスタッフを目指した理由を述べ、飛行機が好きだったり、人とのコミュニケーションが得意な人にこの仕事を目指して欲しいと話していた。

 閉会後に中井さんは、審査では利用者に感謝の言葉を伝えることや、座っているお客様には目線を合わせるよう心掛けたことを挙げた。普段は利用者が求めることを先回りして考えるようにしているといい、緊張してしまった前回と比べると、自然体で臨めたことがよかったと振り返った。

第8回Haneda’s Prideコンテストのグランプリの中井さんに贈られたトロフィー=24年9月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの第8回Haneda’s Prideコンテストで出場者を応援する社員=24年9月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 また、準グランプリには旅客サービス3課 国内担当の和知成美さんが選ばれ、審査員特別賞を旅客サービス2課 国内担当の清田美里(みり)さんが受賞した。

 グランプリの中井さんは、国内外のANAのグランドスタッフが接客技術を競う「空港カスタマーサービス スキルコンテスト」に羽田代表として出場する。

*写真は15枚(出場者13人の氏名は写真後ろに掲載)。

ANAの第8回Haneda’s Prideコンテストのグランプリに選ばれた中井さん(中央)、準グランプリの和知さん(左)、審査員特別賞の清田さん=24年9月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの第8回Haneda’s Prideコンテストでグランプリに選ばれた中井さんの実技審査=24年9月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの第8回Haneda’s Prideコンテストで準グランプリに選ばれた和知さんの実技審査=24年9月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港近くの総合訓練施設「ANA Blue Base」で開かれた第8回Haneda’s Prideコンテスト=24年9月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

第8回Haneda’s Prideコンテストの会場に用意された応援グッズ=24年9月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの第8回Haneda’s Prideコンテストの出場者=24年9月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの第8回Haneda’s Prideコンテストの出場者と審査員=24年9月10日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

出場者(敬称略で出場順、括弧内は所属課と担当、入社年度)
清田美里(2課国内、12年度)審査員特別賞
井ノ口由依(5課国際、19年度)
工藤麗(2課国内、17年度)
柴田映見(5課国際、17年度)
正村美沙(7課国際、16年度)
渡邊咲莉(1課国内、18年度)
中井雅仁(4課国際、19年度)グランプリ
檜垣咲奈(1課国内、19年度)
馬場絢也(4課国際、18年度)
和知成美(3課国内、19年度)準グランプリ
木内璃音(6課国際、19年度)
森戸彩乃(3課国内、15年度)
俵ゆうみ(6課国際、19年度)

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全日本空輸
ANAエアポートサービス

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