空港 — 2024年8月26日 14:45 JST

関空、動線自動切り替えの国際線新検査場 9/3先行オープン

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 関西空港を運営する関西エアポート(KAP)は8月26日、リノベーション工事を進めている第1ターミナル(T1)の新国際線エリアについて、4階にある保安検査場の一部を開港30周年前日の9月3日に先行オープンすると発表した。現在3カ所ある検査場を1カ所に集約し、利用客の動線を自動的に切り替えるシステムを日本で初導入する。また従来のスマートレーンよりも長いものを導入し、利便性向上を図る。

先行オープンする関空T1の国際線保安検査場(KAPの資料から)

 現在の保安検査場は面積が約3500平方メートルで、長さ15メートルのレーンを16台備える。今回の先行オープンでは面積を3600平方メートルに拡張。レーンの台数は16台で変更はないが、このうち10台は長さ20メートルのものに変更する。また、待ち行列を管理する「キューイングマネジメントシステム」を日本初導入する。利用客の流れをデータで把握し、フラッパーを自動で動かして動線を切り替えるシステムで、利用客数や状況に応じた、自動で効率的な保安検査レーン誘導が可能となる。

 T1のリニューアルは4つのフェーズに分けて進めており、今回の先行オープンはフェーズ3の一部にあたる。2025年春ごろのグランドオープンを予定するフェーズ3では主要機能を完成させ、保安検査場はさらに拡張を計画する。グランドオープン時の面積は6300平方メートルで、長さ15メートルのレーンを2台追加。レーン数は合計18台となり、将来的には22台まで増設できるようにする。また処理能力は現在の毎時4500人から、グランドオープン後は6000人に強化する。

 このほかフェーズ3では、国際線入国エリアを3階へ移設し、国際線ラウンジも3階に集約。新商業エリアは4階国際線出発エリアと3階国際線到着エリア、2階フードコートの3カ所に計13店舗をオープンし、大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)に間に合わせる。

 リニューアルは現在フェーズ2まで完了し、フェーズ1にあたる国内線の新エリアは2022年10月に、フェーズ2にあたる出国審査場の中央集約などは2023年12月に、それぞれオープン済み。その後のフェーズ4では、2026年秋ごろに2階の国際線出発エリア南北にある商業施設の運用を開始し、工事を終える。

先行オープンする関空T1の国際線保安検査場の概要(KAPの資料からAviation Wire作成)

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