エアライン, 企業, 空港 — 2024年8月23日 11:28 JST

JALとセコマ、新千歳の空港車両にバイオディーゼル燃料 TTなど11台

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 日本航空(JAL/JL、9201)とコンビニエンスストア「セイコーマート」を展開するセコマ(札幌市)、豊田通商(8015)、千歳空港モーターサービス(CAMS)の4社は8月22日、新千歳空港で運用しているトーイングトラクター(TT車、貨物牽引車)とフォークリフトの燃料として、バイオディーゼル燃料(BDF)を通年使用を始めたと発表した。

新千歳空港内でセコマなどとバイオディーゼル燃料の通年使用を始めたJAL=PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

 対象車両は、空港内で貨物コンテナなどを牽引(けんいん)するトーイングトラクターが9台、フォークリフトが1台、航空機を牽引するトーイングカーが1台。セイコーマートの店内調理「HOT CHEF」で発生する廃食油を、セコマグループの白老油脂(北海道白老郡)がBDFに精製後、豊田通商が新千歳空港へ配送・供給し、CAMSがJALの作業車両に給油する。

 実証実験を2023年8月1日から11月14日まで実施した際は、CO2(二酸化炭素)排出量を約6トン削減。一方、寒さが厳しい新千歳での通年運用は、厳寒期にBDFが燃料タンク内で凍結して、品質に影響を及ぼすおそれがあったことから、BDFと軽油の混合燃料としたり、燃料タンクに温風装置を設置し、凍結を未然に防いで通年で使用できるようにしたという。

 BDF専用タンクを空港内に新設し、BDF使用対象車両を実証実験の3台から11台に拡大。年間約54トンのCO2排出量を削減できる見込み。本格運用は7月15日から始め、8月22日からはトーイングトラクター1台にラッピングを施した。

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