乗客乗員520人が亡くなった日本航空123便墜落事故から、8月12日で39年が経った。12日は、墜落現場となった群馬県多野郡上野村の御巣鷹山を多くの遺族や関係者らが早朝から訪れた。
JALによると12日午後2時の時点で、昨年の同時刻よりも8家族37人少ない67家族228人の遺族が御巣鷹山を訪れた。これまでの過去最多は事故後30年の2015年で、午後4時の時点で106家族406人だった。
4月に就任した鳥取三津子二社長は午前11時50分すぎ、山頂付近にある「昇魂之碑」を訪れ、御巣鷹山の2代目管理人、黒沢完一さんにあいさつして献花し、線香をたむけた。
鳥取社長は、1985年4月に客室乗務員として東亜国内航空(TDA、のちにJAS、現JAL)に入社。成田第2客室乗員部部長や客室安全推進部部長、客室本部長を歴任し、2022年4月に常務執行役員 客室本部長、2023年4月から専務執行役員 カスタマー・エクスペリエンス本部長、同年6月からは代表権のある専務務執行役員 カスタマー・エクスペリエンス本部長、グループCCO(最高顧客責任者)を務めた。
今年1月の就任会見では「御巣鷹山のJAL123便事故が起きた1985年に客室乗務員として乗務を始めた。当時を知る者として、安全運航の大切さを次の世代に伝えていく責任がある」とあいさつした。
12日は午後0時10分ごろに赤坂祐二会長、安全推進本部長とご被災者相談室長を務める立花宗和常務も昇魂之碑に手を合わせた。
午後6時からは、上野村にある慰霊の園で追悼慰霊式が開かれる。JALからは鳥取社長のほか、赤坂会長や青木紀将副社長らが参列する。
1985年8月12日午後6時56分に墜落した羽田発伊丹行きJL123便(ボーイング747SR-100型機、登録記号JA8119)には、乗客509人と乗員15人の524人が乗っていた。
鳥取新社長
・JAL、純利益39.4%減139億円 鳥取社長「人件費は投資」=24年4-6月期(24年7月31日)
・「将来も必要とされる会社であること」特集・JAL鳥取新社長が語りかけた入社式(24年4月3日)
・JAL鳥取新社長「どの業務も必ず『安全』につながっている」過去最多2600人が入社(24年4月1日)
・JAL、新社長に鳥取専務 初の女性、JASのCA出身(24年1月17日)
・JAL、24年3月期最終益100億円上振れで増配に 25年3月期は1000億円予想(24年3月22日)
2022-23年
・日航機事故から38年、76家族272人が御巣鷹山登る 追悼式は4年ぶり遺族参列(23年8月12日)
・JAL赤坂社長「御巣鷹山の教訓引き出すことが重要」日航機事故37年追悼式(22年8月13日)
・日航機事故から37年、慰霊登山の出足はコロナ後最多(22年8月12日)
事故30年の2015年
・高齢化する遺族 より訪れやすい御巣鷹山を(15年8月13日)
・慰霊の園で追悼慰霊式 村長「風化防ぎ、次世代につなぐ」(15年8月13日)
・日航機墜落から30年 植木社長、安全誓う「いかなる妥協、言い訳通用しない」(15年8月12日)
・「初心に帰る日に」8・12連絡会の文集『茜雲 日航機御巣鷹山墜落事故遺族の30年』(15年8月11日)