米空軍は、早期警戒管制機(AWACS)E-3「セントリー」の一部を置き換えるE-7A「ウェッジテイル」について、開発したボーイングと試作契約を25億6084万6860ドル(約3756億円)で合意した。2028年度にプロトタイプ(試作機)2機が引き渡される見通し。
E-7Aは、ボーイングが「AEW&C(Airborne Early Warning & Control)」と呼ぶ737-700型機がベースの早期警戒管制機で、360度全方位の監視能力を持つ。「ウェッジテイル」は最初に導入した豪州空軍の命名で、2021年までE-3を運用していた英空軍は「Wedgetail AEW Mk1」と名付けて採用している。
今後は2026年度に生産計画を決定し、2028年度に試作機の受領を予定している。NATO(北大西洋条約機構)もE-3Aの後継としてE-7Aを選定しており、2031年までに運用開始を予定している。
置き換え対象となるE-3は、旅客機のボーイング707型機をベースにした機体で、1977年3月に米空軍へ最初の機体が引き渡された。ボーイングはE-7について、E-3と比べて運用コストを66%削減でき、E-3よりも少ない人員でより多くの能力を提供できるとしている。
米空軍はE-7Aについて、「国防総省の戦術的戦闘管理、指揮統制、移動目標指示機能の要件を、老朽化したE-3の置き換えに必要な期間内に満たすことができる唯一のプラットフォーム」と評価。2022年に後継機として選定し、当時31機あったE-3のうち15機を売却する方針で、2023年3月に最初の退役機が出た。
関連リンク
Boeing: E-7 AEW&C Airborne Early Warning & Control Aircraft
Boeing
ボーイング・ジャパン
米空軍
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