エンブラエルとブラジル国立経済社会開発銀行(BNDES)は現地時間7月19日、アメリカン航空(AAL/AA)へエンブラエル175(E175)型機32機を輸出するための融資契約を結んだ。約45億レアル(約1265億円)に相当する事業で、輸出向けブラジル国産品の商品化に対する同行の直接融資枠を通じて行われる。
アメリカン航空は、今年3月にE175を90機確定発注し、43機の購入権を獲得。座席数は76席で引き渡される見通し。すべての購入権が行使された場合、契約額はカタログ価格で70億米ドルを超えることになる。確定発注額は2024年第1四半期のエンブラエルの受注残に含まれている。
ブラジルでは、航空産業が戦略的産業と位置づけられており、BNDESはエンブラエル最大のパートナーとなっている。
輸出に加え、BNDESはエンブラエルのイノベーション投資計画も支援。同行は2月に、BNDES Mais Inovacaoを通じて、エンブラエルが効率性、生産性を向上させる新製品、プロセス、デジタル技術を開発し、エネルギー転換とCO2(二酸化炭素)排出削減に焦点を当てた持続可能な航空モビリティーを実現するために、5億レアルの融資を承認している。
19日の調印式はサンパウロ州サン・ジョゼ・ドス・カンポスの本社で行われ、ルイース・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領やジェラルド・アルクミン副大統領、シルビオ・コスタ・フィーリョ港湾空港大臣、アロイジオ・メルカダンテBNDES総裁らが出席した。
アメリカン航空の発注
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エンブラエルCEO
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E2シリーズ
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