EC(欧州委員会)は現地時間7月3日、ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)を中核とするルフトハンザ・グループがイタリア経済財政省(MEF)と進めている伊国営航空会社ITAエアウェイズ(ITY/AZ)の買収について、条件付きで承認すると発表した。ITAが拠点とするミラノ・リナーテ空港の一部発着枠を競合他社に譲渡することなどが条件で、ルフトハンザが進めるITA株の41%取得は今年10-12月期(第4四半期)に完了する見通し。
ルフトハンザとITAの両社について、ECは「中欧とイタリアの異なるハブ空港から運航していることから、かなりの程度補完関係にある」と指摘。買収の条件として、イタリアと中欧を結ぶ短距離路線を、競合する航空会社1-2社へ移管することを求めた。イタリア側はローマのフィウミチーノ空港かミラノ・リナーテ空港が対象で、このうちリナーテ空港は一部の離着陸枠を競合他社に譲渡することが条件となる。
ルフトハンザ・グループは2023年5月に、ITA株の41%取得でMEFと合意。ルフトハンザは3億2500万ユーロ(約565億7000万円)を増資し41%を取得する。またルフトハンザとMEFは残りの株式を取得できるオプションでも合意しており、早ければ2025年から行使できる。
ルフトハンザ・グループのカルステン・シュポアCEO(最高経営責任者)は「ITAの買収により、グループの国際化を強化する」とし、EUの条件付き承認を歓迎するコメントを発表した。
ITAは経営破綻したアリタリア-イタリア航空(AZA/AZ)に代わる航空会社で、イタリアの経済開発省が100%出資し2020年11月に設立。2021年10月15日に就航した。ルフトハンザとITAは加盟する航空連合(アライアンス)が異なり、ルフトハンザは「スターアライアンス」、ITAはエールフランス航空(AFR/AF)などが加盟する「スカイチーム」に属する。ルフトハンザによると、ITAは近い将来、スターアライアンスへの移籍を目指しているという。
関連リンク
European Commission
Ministero dell’Economia e delle Finanze
Lufthansa Group
ITAエアウェイズ
・ルフトハンザ、伊ITA株41%取得で合意 全取得も視野(23年5月26日)
・ANA、伊ITAエアウェイズとコードシェア アライアンスまたぎ1/24から(24年1月12日)
・伊ITAエアウェイズ、羽田-ローマ就航 A350で週3往復(22年11月6日)
・伊ITAエアウェイズが運航開始 羽田就航も、アリタリアに代わる新国営航空会社(21年10月15日)
これより先は会員の方のみご覧いただけます。
無料会員は、有料記事を月あたり3記事まで無料でご覧いただけます。
有料会員は、すべての有料記事をご覧いただけます。
会員の方はログインしてご覧ください。
ご登録のない方は、無料会員登録すると続きをお読みいただけます。
無料会員として登録後、有料会員登録も希望する方は、会員用ページよりログイン後、有料会員登録をお願い致します。
* 会員には、無料個人会員および有料個人会員、有料法人会員の3種類ございます。
これらの会員になるには、最初に無料会員としての登録が必要です。
購読料はこちらをご覧ください。
* 有料会員と無料会員、非会員の違いは下記の通りです。
・有料会員:会員限定記事を含む全記事を閲覧可能
・無料会員:会員限定記事は月3本まで閲覧可能
・非会員:会員限定記事以外を閲覧可能
* 法人会員登録は、こちらからお問い合わせください。
* 法人の会員登録は有料のみです。