エアライン, 機体 — 2024年6月27日 14:28 JST

天草エアラインの初代みぞか号、タンザニアで活躍中

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 天草エアライン(AHX/MZ)は、8年前の2016年2月に退役した同社の初代「みぞか号」(デ・ハビランド・カナダDash 8-100型機、登録記号JA81AM→5H-MFH)が、タンザニアのオーリック・エア(AUK/UI)で活躍していると、X(旧Twitter)で紹介した。

オーリック・エアの機体となった元みぞか号(同社Xから)

 初代みぞか号は、天草空港の開港や天草エアラインの就航と同じ2000年3月23日に運航開始。「かわいい」を意味する天草の方言「みぞか」を冠した機体は、同社唯一の機材として16年間に渡り、天草-福岡線と熊本線、熊本-伊丹線などの路線で多くの乗客を運んだ。

 2000年の就航当初は、イルカの姿が見られる天草にちなみ、白を基調とした機体に水色のイルカを描いた、小学生のデザインによる「イルカ号」だった。みぞか号となったのは2013年2月25日で、横田青史氏のデザインで、機体が親イルカの「みぞか」、左エンジンは「はるちゃん」、右は「かいくん」と名付けられた子供のイルカが描かれた。

 天草エアラインでの最終運航日は2016年2月19日。天草-福岡線を2往復4便運航し、総飛行距離は地球約310周分の約1250万キロメートル、16年間無事故で約120万人の乗客を運んだ。その後は同年3月18日に天草空港を出発し、4カ月後の7月22日に鹿児島空港から売却先のデンマークへ向かった。

 初代みぞか号を購入したデンマークのリース会社、ノルディック・アビエーション・キャピタル(NAC)は、リースなどを手掛けるカナダのAvmaxグループへ売却し、ノルウェーの地域航空会社フライバイキングへ2017年から貸し出されたものの、同社が2018年に営業停止に陥ったことから、次の貸出先としてオーリック・エアへ2021年に引き渡された。

 オーリック・エアでは、タンザニア最大の都市で旧首都のダルエスサラームにあるジュリウス・ニエレレ国際空港を拠点に運航しているとみられる。

天草エアラインの初代みぞか号=16年2月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

初代みぞか号左エンジンのはるちゃん=16年2月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

初代みぞか号の後部座席=16年2月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

天草からの最終便出発に向けて整備中の初代みぞか号=16年2月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

天草空港に到着する初代みぞか号最終便=16年2月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡から天草へ到着した初代みぞか号の最終便=16年2月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

天草エアラインの社員に見送られて天草空港を出発する初代みぞか号(同社提供)

鹿児島空港に到着した天草エアラインの初代みぞか号=16年3月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

鹿児島空港から日本を離れる元天草エアラインのDHC-8みぞか号(同社提供)

関連リンク
天草エアライン
Auric Air

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