シンガポール航空(SIA/SQ)は現地時間6月11日、飛行中に激しい乱気流に巻き込まれたロンドン(ヒースロー)発シンガポール行きSQ321便(ボーイング777-300ER型機、登録記号9V-SWM)の全乗客に対し、補償の案内を送付したと発表した。
軽傷客には1人1万米ドル(約157万円)、重傷客には体調が回復して準備が整い次第、状況に応じた補償を相談するという。長期的な治療が必要であると医療機関で診断され、経済的支援を希望する乗客には2万5000米ドルを前払いする。
また、負傷しなかった人も含む全乗客に対して航空運賃を全額払い戻し、EU(欧州連合)または英国の規則に基づいた遅延補償を行う。
シンガポール航空は、SQ321便がダイバート(目的地変更)により着陸したバンコクから乗客が出発する際の当面の費用として、全乗客に1人あたり1000シンガポールドル(約11万6000円)を支払い済み。負傷した乗客の医療費を負担しているほか、家族などの要請に応じてバンコクまでの航空券を手配したという。
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