エアライン, 企業 — 2024年5月30日 17:00 JST

JAL、使用済み紙コップを再生紙コップに 「水平リサイクル」で循環型社会へ

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 日本航空(JAL/JL、9201)と日本製紙(3863)、東洋製罐グループホールディングス(5901)傘下の東罐興業(トーカン)の3社は5月30日、機内で使用済みの紙コップを回収し、新たな紙コップに再生する「水平リサイクル」を実現したと発表した。再生紙コップへの資源循環は国内初の取り組みで、環境月間にあたる6月に一部国内線で提供する。

JAL機内で使用済みの紙コップをリサイクルした再生紙コップ(同社提供)

 再生紙コップは、機内で使用した紙コップを乗客から回収し、日本製紙グループの工場で再資源化。東罐興業が紙コップを製造する。提供路線は羽田を出発するJAL国内線で、6月1日から始める。在庫がなくなり次第終了し、おおむね10日間程度を見込む。紙コップは古紙パルプ配合率が25%で、3社によると再生紙特有の黒点が紙に混ざる場合があるものの、品質には問題ないという。

 JALグループと日本製紙グループは、紙コップの分別回収とリサイクルを2022年12月に始めている。当初は羽田-那覇線のみが対象で、現在は同路線のほか、エアバスA350-900型機とボーイング767-300ER型機で運航する羽田発着の札幌(新千歳)、旭川、福岡、長崎、熊本、鹿児島の各路線へ拡大している。

 回収した紙コップは、これまで段ボールなどの紙製品に再生していたが、機内での紙コップ分別回収の精度向上や、日本製紙富士工場(静岡・富士市)で食品・飲料用の紙容器専用リサイクル設備の稼働、東罐興業の製造技術進歩などにより、紙コップを水平リサイクルするスキームが確立。「紙コップto紙コップ」の水平リサイクルを実現した。

 今回は期間限定で提供する。紙コップを分別回収する対象路線の拡大や、再生紙コップの提供路線拡大を検討することで継続的な取り組みとし、循環型社会を実現させたい考え。

羽田発那覇行きの機内で紙コップと紙製のフタを回収するJALの客室乗務員=22年11月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
日本航空
日本製紙グループ
東罐興業

JAL、使用済み紙コップをトイレ紙に 日本製紙と協業、12月から(22年11月18日)
JAL、機内の廃プラ削減 紙製容器やフタ導入(22年11月18日)


これより先は会員の方のみご覧いただけます。

無料会員は、有料記事を月あたり3記事まで無料でご覧いただけます。
有料会員は、すべての有料記事をご覧いただけます。

会員の方はログインしてご覧ください。
ご登録のない方は、無料会員登録すると続きをお読みいただけます。

無料会員として登録後、有料会員登録も希望する方は、会員用ページよりログイン後、有料会員登録をお願い致します。

会員としてログイン
 ログイン状態を保存する  

* 会員には、無料個人会員および有料個人会員、有料法人会員の3種類ございます。
 これらの会員になるには、最初に無料会員としての登録が必要です。
 購読料はこちらをご覧ください。

* 有料会員と無料会員、非会員の違いは下記の通りです。
・有料会員:会員限定記事を含む全記事を閲覧可能
・無料会員:会員限定記事は月3本まで閲覧可能
・非会員:会員限定記事以外を閲覧可能

* 法人会員登録は、こちらからお問い合わせください。
* 法人の会員登録は有料のみです。

無料会員登録
* 利用規約 に同意する。
*必須項目新聞社や通信社のニュースサイトに掲載された航空業界に関する記事をピックアップした無料メールニュース。土日祝日を除き毎日配信しています。サンプルはこちら
登録内容が反映されるまでにお時間をいただくことがございます。あらかじめご了承ください。
  • 共有する:
  • Facebook
  • Twitter
  • Print This Post