5月24日で就航5周年を迎えた全日本空輸(ANA/NH)のエアバスA380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」。総2階建ての超大型機で、全3機を成田-ホノルル線に投入している。円安や現地の物価高が続く中、海外旅行需要の本格回復に向けた課題はどのようなところにあるのだろうか。
ANAの執行役員で、2022年4月から成田空港支店長を務める岡功士氏は「コロナで運航できない期間は、レストランなどでかわいがっていただき、なんとかここまで来られた。昨年12月からは最終形であるダブルデイリー(1日2往復・週14往復)となり感慨深い。9月末までの予約は昨年と比べて1.5倍に増えている」と、夏休みの需要回復に向けた手応えを語った。
一方で、円安や現地の物価高など、海外旅行を検討する際のハードルをどう取り除いていくかが、今後のアウトバウンド回復に向けた航空・旅行業界全体の課題となっている。ANAは、コロナ前は冬場にハワイでのイベントを企画するなど、A380就航に合わせてハワイへの旅行需要の平準化につながる取り組みを進めていた。
岡支店長は「夏休みや年末年始、春休みは多くご利用いただいているが、少し予約をいただけない時期がある。コロナでパスポートの取得率が非常に低下しており、更新されない方もおられて直近では約17%。夏休みに再度海外に行ってみようじゃないか、という雰囲気作りをしてきたい」と語った。
「ファーストやビジネス、プレミアムエコノミーから埋まっているが、課題はエコノミー」(岡支店長)と、座席数4クラス520席の7割強を占めるエコノミークラスの販売強化を目指す。エコノミーのうち、後方にある3席または中央4席をベッドのように使えるカウチシートは「孫と3世代で寝ながら旅行できると好評」(同)だという。
A380はファーストクラスが8席、ビジネスクラスが56席、プレミアムエコノミーが73席、エコノミーが383席。アッパーデッキ(2階席)にファーストとビジネス、プレミアムエコノミーを配し、メインデッキ(1階席)はすべてエコノミーで、後方には日本の航空会社では初となるカウチシートを6列導入した。
客単価が高い上級クラスから埋まるA380。エコノミークラスは航空券のタイムセールなどの販促策を実施しており、現地の物価高が収まらない中、夏休み以降の海外旅行需要復活につながるエコノミー利用をどう増やしていくかが、就航5周年を迎えたA380の課題と言える。
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FLYING HONU(フライングホヌ) 成田ーホノルル間定期運航情報(ANA)
全日本空輸
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(2)ペアシートもあるビジネスクラス(19年5月22日)
(3)2階後方にゆったりプレエコ(19年5月23日)
(4)カウチシートもあるエコノミー(19年5月24日)
動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
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