かつては国内唯一の民間ジェット機の訓練空港として利用されていた沖縄県宮古島市の下地島空港。島全体が空港用地となっており、隣接する伊良部島から伊良部大橋を渡り宮古島へ入ると、宮古空港があります。同じ市内に2つの空港がある国内でも珍しい地域です。
「空港から、リゾート、はじまる。」をキャッチフレーズに、下地島空港の旅客ターミナルは2019年3月30日にオープン。約24年ぶりとなる国内線の定期便が就航しました。国際線は新型コロナの影響で2020年2月から運休が続いていましたが、今月(5月)29日からは4年3カ月ぶりに再開されます。
下地島空港では、大都市の空港を経験後に移住した人や、新しくできた組織に魅力を感じた人、早朝や夜の勤務がなく無理なく働けることに魅力を感じた人など、さまざまなスタッフが活躍しています。ランプハンドリング(グランドハンドリング)や旅客サービス、保安検査に従事するスタッフにお話を聞きました。
「ありがとう」がうれしい
下地島空港で、航空機の誘導や貨物・手荷物の搭降載・搬送などのランプハンドリング業務を担うSASCO(鈴与エアポートサービス)。小渡修一郎さんは入社5年目で、2018年の立ち上げ当初からランプハンドリングに従事しています。
旅客ターミナルから駐機場を歩いて飛行機に乗る下地島空港では、雨が降れば小渡さんたちが傘や雨がっぱを乗客に貸し出すことがあります。「お客様からありがとう、と感謝の言葉を聞けるのがうれしいです」と話す小渡さんは、組織の立ち上げ時から自分が関われることにも魅力を感じて入社したそうです。
到着機を誘導する「マーシャリング」を行ったり、GSE(地上支援車両)と呼ばれる空港の特殊車両も運転。小所帯ゆえ、ランプハンドリングのすべての業務に携われることもやりがいを感じるという小渡さんは、「海が好きななので、沖縄本島よりも海が近いのもいいですね」と、自然が豊かな環境も、下地島空港をはじめ宮古の魅力だといいます。
「ランプハンドリングの仕事内容はよくわからない、という人も多いと思います。まずは興味を持ってもらえたらうれしいですね」。コロナ後の増便や運航再開などで、空港利用者が増えたと実感している小渡さんは、新しい仲間の応募に期待を寄せています。
グランドスタッフも早朝深夜勤務なく働ける
下地島空港で、利用者をカウンターで出迎える旅客サービス業務も担うSASCOに、2023年4月に入社した上原歌恋さんは、航空業界では一般的な早朝や深夜の勤務がない、オフィスワークと同じような勤務時間にも魅力を感じ、下地島空港でグランドスタッフとして働くことにしたそうです。
那覇出身で、海を見るのが好きだという上原さん。何度か宮古島を訪れたことがあり、「ゆくゆくは住んでみたい、と思っていました」と、沖縄本島から移住。「飛行機に乗る直前まで観光を楽しんでいただける空港です」と、旅の最後までリゾート気分を味わえるのが下地島空港の魅力だといういいます。
リゾート地であると同時に、地元住民の足でもあることから「病院へ行く方や親戚のところへ行く方など、業界用語を使わずにご案内するよう心掛けています」と、乗り慣れていない人の視点で接しているそうです。
「空港業務は未経験でしたが、先輩であっても一緒に考えてくれたり、支え合える職場です」と話す上原さんは、勤務時間の面でも無理なく空港で働ける点を魅力として挙げていました。
「こんなきれいなところで仕事できるのか」
市内に2つの空港がある宮古島市。下地島空港に加え、4月から宮古空港でも保安検査業務を担うのはSAFCO(下地島空港施設)。成田空港の保安検査員として6年間働いていた桜井洋平さんは、4年前にコロナによる出向がきっかけで宮古島へ移住し、宮古と下地島の2空港に勤務しています。
宮古の海を見て「こんなきれいなところで仕事できるのか、というのが第一印象でした」という桜井さん。2空港の勤務割合は、便数が多い宮古が7割、残り3割が下地島で、国際線の経験者が少ない中、成田での経験を同僚にも共有しています。
「ずっと同じ環境で働くよりも、2つの空港で働けるのは気分転換になりますね」と話す桜井さんは、「検査員は警備業ですが、接客業の面もありますね」と、利用者にあいさつしたり、会話をしながら検査への協力を依頼する、といったことを心掛けているそうです。
休日にはシュノーケリングや移住してから始めたゴルフと、余暇を楽しんでいる桜井さんは、「島には親族がいないのに、子供に温かいです」と、自然が豊かな宮古島は、子育てにも良かったそうです。「大都市の空港にいたら経験できない暮らしです」と、宮古の暮らしに満足していました。
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開業5年目の2023年度には、利用者数が過去最高となる年間約42万人を記録した下地島空港。ターミナルを運営する下地島エアポートマネジメント(SAMCO)の鶴見弘一社長は「飛行機を降りたところから非日常がスタートします。上から見えるサンゴ礁もワクワクすると思いますよ」と、ターミナルに着いた時から、国内有数のリゾート地らしさを感じられるよう、心掛けているそうです。
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空港での仕事は続けたいが、体に負担の少ない昼間の時間帯に仕事をしたい。自然を満喫しながら家族との時間を大切にしたい──。経験のある方も、未経験の方も、宮古の自然と仲間が待っています。
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