経営再建中のスカンジナビア航空(SAS/SK)は現地時間4月29日、航空連合「スカイチーム」と加盟契約を締結したと発表した。同社は現在加盟しているスターアライアンスを8月31日付で脱退し、翌9月1日からスカイチームに加盟すると8日に発表済み(関連記事)で、今回の契約締結によりスカイチーム入りが正式に決まった。
両者は加盟合意書(AAA)を29日に締結。スカンジナビアの主要空港へのアクセスが加わることで、スカイチームのネットワークを強化する。加盟により、SASのマイル会員制度「SAS ユーロボーナス」のシルバー会員はスカイチームのエリートレベル、ゴールドとダイヤモンド会員はエリートプラスとして認定される。
これにより、750カ所以上の空港ラウンジや優先チェックイン、優先搭乗、優先手荷物取扱いなどで、スカイチームの「SkyPriority」サービスを利用できるようになる。
スカイチーム加盟により、SASの利用者はアフリカ、中南米、カリブ海地域など、これまで就航していなかった都市を含むスカイチームの1060以上の就航地へ渡航できるようになる。
また、スターアライアンスに加盟する全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)の芝田浩二社長は26日の決算会見で、SASとは今後も2社間の関係を維持すると語った。ANAは今年度内の10月以降、羽田-ストックホルム線の開設を計画している。
SASは1997年5月14日にスターアライアンスが発足時の加盟5社の1社。エア・カナダ(ACA/AC)とルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)、タイ国際航空(THA/TG)、ユナイテッド航空(UAL/UA)が発足メンバーで、5社の中で脱退は初めて。現在は26社が加盟している。
新たに加盟するスカイチームは、エールフランス航空とデルタ航空(DAL/DL)、アエロメヒコ航空(AMX/AM)、大韓航空(KAL/KE)の4社で2000年6月22日に設立。2023年3月には、ヴァージン・アトランティック航空(VIR/VS)が英国の航空会社では初めて加わり、現在は19社が加盟している。
関連リンク
スカンジナビア航空
Air France-KLM
SkyTeam Airline Alliance
Star Alliance
4/8に発表
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AF-KLM提携で加盟
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