エアバス, エアライン, ボーイング, 官公庁, 機体 — 2024年4月5日 12:28 JST

回避難しい急な揺れ、CAの負傷増加 機体後方で8割発生 JTSBが提言

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 急な機体の揺れで起こる乗客や客室乗務員のけが。国土交通省航空局(JCAB)が「航空事故」に認定するものの一つで、航空事故を調査する国の運輸安全委員会(JTSB)によると、2004年から2023年までの20年間に起きた大型機の事故67件のうち、約55%にあたる37件が急な機体の揺れなどを指す「機体動揺事故」だった。

航空事故の発生件数(運輸安全委員会ダイジェスト第44号から)

 最近の10年間で見ると、大型機の事故35件のうち60%にあたる21件が機体動揺事故で、2022年は過去20年間で最多の年間6件が起きた。機体動揺事故による重症者は、乗客は減少傾向にあるのに対して、客室乗務員は増えていることが鮮明化し、客室乗務員の事故はシートベルトサイン消灯中がおよそ7割(約69%)と、対策の難しさも浮き彫りになった。

 また、負傷した場所は約8割が機体後方だったが、機体の大きさによる傾向の違いはみられなかった。

 JTSBは、10年前の2014年8月発行の「運輸安全委員会ダイジェスト第15号」で機体動揺事故を取り上げたが、対策が難しい機体動揺事故が続いていることから、先月3月発行の第44号で改めて事故防止に向けた提言をまとめた。

—記事の概要—
発生状況
負傷者の状況
シートベルトサイン
乱気流の分類
機内後方ほど揺れ大きく

発生状況

 JTSBは、結論として「自然現象が相手である乱気流等による動揺事故防止の抜本的な対策は容易ではなく、新技術が実用化されるまでは現状の事故防止(被害軽減)対策を着実に続けるしかないのが実状」と結んでいる。

事故発生高度と飛行の段階(運輸安全委員会ダイジェスト第44号から)

 急な揺れによる事故防止は極めて難しいとしつつ、近年客室乗務員の重症者数が増加傾向であることから、大きな揺れが予想される場合など、機内サービスを実施しない際の会社のポリシーを明確にするなど、客室乗務員のけがを防ぐ取り組みの必要性に言及した。

 JTSBは今回、2004年から2023年までの20年間に起きた機体動揺事故37件のうち、2023年12月までに事故調査報告書が公表されている36件の事故を対象に分析。発生場所は東北地方から南西諸島にかけて広く分布し、比較的交通量が多い太平洋側の発生件数が多くなっているものの、陸上や海上など場所による違いや乱気流の種類の違いといった分布の特徴はなく「どこであっても発生しうる」とした。

 飛行高度別では2万フィート以上が約7割となる24件で、このうち2万5000-2万9999フィートが最多の8件となった。離着陸や水平飛行など飛行の状態別では、巡航中が18件、巡航高度変更も含む降下中が13件と続いた。「巡航中は機内サービスが行われ、乗客は化粧室を使用するために離席することもあり、降下中は機内サービスの後片付けやシートベルトの着用確認といったの安全点検などのため、客室乗務員は離席していることが多い」と、要因を推定した。

負傷者の状況

 負傷者を見ると、重症者は44人で、うち客室乗務員が26人、乗客は18人と客室乗務員が


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