日本航空(JAL/JL、9201)は3月31日夜、羽田-ドーハ線を週7往復(1日1往復)のデイリー運航で開設した。日本の航空会社では初の中東への直行便で、同じ航空連合「ワンワールド」の加盟社であるカタール航空(QTR/QR)の国際線ネットワークにより、ドーハから欧州や中東、アフリカ、南米へ乗り継げる。
—記事の概要—
・34年ぶり中東乗り入れ
・空白地帯の中東・アフリカ・南米へ
34年ぶり中東乗り入れ
羽田-ドーハ線の運航スケジュールは、ドーハ行きJL59便が羽田を午後10時50分に出発し、翌日午前4時40分着。現地時間4月1日から運航する羽田行きJL50便は、午前7時15分にドーハのハマド国際空港を出発して、午後11時55分に到着する。機材はボーイング787-9型機で、座席数は3クラス203席(ビジネス52席、プレミアムエコノミー35席、エコノミー116席)となる。
カタール航空の日本路線はドーハ-成田、関西の2路線で、JALはいずれもコードシェアを実施。一方、カタール航空はドーハ-羽田線を4月から運休し、JALとコードシェアする。カタールのドーハ線は、羽田行きQR812便は31日朝のドーハ発、折り返しのドーハ行きQR813便は1日深夜の羽田発が最後となった。
JALが中東へ定期便を運航するのは、1990年8月2日に終了した南回りの欧州線JL471/472便以来、約34年ぶり。成田からバンコク、クウェート、カイロ経由でアテネへ向かう便で、ダグラス(現ボーイング)DC-10型機で運航していた。ドーハへの直行便は過去にチャーターを実施したことはあったものの、定期便は今回が初めて。
JALの南回り欧州線は、エールフランス航空(AFR/AF)との共同運航で1961年4月1日に開設され、ボーイング707型機で羽田から香港、バンコク、カルカッタ、カラチ、クウェート、カイロ、ローマ、フランクフルトを経てロンドンへ向かった。翌1962年10月4日からは自社運航便を開設し、同じルートをコンベア880型機(CV880)で週2往復運航した。
ドーハ行き初便の就航記念式典が開かれた羽田空港第3ターミナルの112番搭乗口前には、CV880の模型やファーストフライトカバーなどが展示された。
空白地帯の中東・アフリカ・南米へ
カタール航空の本拠地であるドーハへ乗り入れることで、これまでJALのネットワークで空白地帯だったアフリカや南米へ乗り継ぎがしやすくなる。例えば羽田からリヤド(サウジアラビア)へ向かう場合、ロンドン経由では26時間50分かかるが、ドーハで乗り継ぐ場合は17時間10分となり、9時間40分短縮できる。また、ロシア上空が飛行できないことで、飛行時間が伸びている欧州各地に対しても、ドーハ経由の旅程を訴求していく。
初便のドーハ行きJL59便(787-9、JA872J)は、乗客178人(幼児なし)を乗せて羽田を午後10時56分に出発した。31日に羽田の112番搭乗口前で開かれた就航記念式典で、JALの越智健一郎常務は「日本の航空会社として初の中東直行便。中東はもちろん欧州・南米・アフリカへ乗り継げ、カタール航空のネットワークで今まで以上の旅の選択肢を提供する」とあいさつした。
今後ジョージア(旧グルジア)へ旅行するという初便の乗客は、再びドーハ線を使って向かうといい、日本からの直行便がない国への新たな乗り継ぎ地点としての利用が期待される。
初便の乗客には、巾着や搭乗証明書、ステッカー、アイマスクが記念品としてプレゼントされた。
*写真は17枚(運航スケジュールは写真下に掲載)。
運航スケジュール
JL59 羽田(22:50)→ドーハ(翌日04:40)運航日:3/31からの毎日
JL50 ドーハ(07:15)→羽田(23:55)運航日:4/1からの毎日
関連リンク
東京(羽田)-ドーハ直行便 新規就航!(JAL)
日本航空
ドーハ就航発表
・JAL、羽田-ドーハ3/31就航 アフリカ・南米へ接続、日系初の中東直行便(23年12月7日)
ドーハ線に投入する787-9
・足もと立体交差のビジネスクラス 写真特集・JAL 11代目CA新制服と主要機材(4)787-9 E91編
カタール航空の動向
・カタール航空、新ファースト・ビジネス導入 7月に新Qスイート発表(24年3月18日)
・カタール航空、関空8年ぶり再開 A350で毎日運航(24年3月2日)
・カタール航空、羽田-ドーハ4月から運休 JAL便就航で、成田・関空は継続(23年12月22日)