日本航空(JAL/JL、9201)は3月22日、国内線に2028年から導入を予定しているエアバスA321neoのイメージ画像を公開した。ボーイング767-300ER型機の後継機となるもので、11機を羽田発着路線を中心に投入する見込み。JALがA321neoを導入するのは初めてで、A320ファミリーとしても初導入になる。
A321neoのメーカー標準座席数は1クラス最大244席、2クラスでは180-220席で、JALの客室仕様は未定。エンジンはプラット&ホイットニー(PW)製エンジン「PW1100G-JM」と、CFMインターナショナル製「LEAP-1A」の2種類から選択でき、JALによると現時点では選定を終えておらず、今後決定するという。
国内初導入となった全日本空輸(ANA/NH)は2クラス194席(プレミアムクラス8席、普通席186席)で、エンジンはPW1100G-JMを選定。22機を2017年9月12日から国内線にすべて投入している(関連記事)。
JALの767は27機あり、このうちA321neoによる置き換え対象となる国内線機材は15機。座席数は3クラス252席(ファーストクラス5席、クラスJ 42席、普通席205席)の「A25」仕様と、2クラス261席(クラスJ 42席、普通席219席)の「A27/A28」仕様の2種類となっている。
250席クラスの767を200席クラスのA321neoで置き換えると、提供座席数は50席(20%)程度減少する見通し。JALでは、A321neoを導入する2028年から運航する20年程度の国内需要の動向を見据え、生産労働人口の減少や、コロナ後に路線により回復傾向に差異があること、出張需要がコロナ前の規模に戻りきらないことなども視野に、国内線ネットワークを維持できる体制づくりの一環として選定した。
2019年暦年の国内線のロードファクター(座席利用率)は79.6%で、コロナ前では最高値だった。今年度2023年度は74.1%、2024年度は77.2%となる見通しで、コロナ前にもっとも混雑していた際のロードファクターが80%弱であったことから、20%程度の提供座席数減であれば大きな影響は及ぼさないと判断したようだ。
また、今年1月の事故で全損となった大型機エアバスA350-900型機の13号機(登録記号JA13XJ)の代替機材は2025年度下期に同型機を1機受領する。
JALの大量発注
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