大韓航空(KAL/KE)は現地時間3月14日、航空エンジン整備工場の起工式を開催した。仁川国際空港に近い雲北(ウンブク)に建設し、2027年に完成する見込み。航空MRO(整備・修理・分解点検)事業を強化する。
新エンジン整備工場は、14万平方メートル超で7階建て。2016年から稼働している既存のエンジンテストセル(ETC)に隣接するもので、これまで富川(プチョン)の施設で行われてきたエンジン整備を雲北に集約し、業務効率を高める。
大韓航空は、航空機エンジンの整備能力を大幅に強化する計画。対象エンジンを広げ、年間100基から360基に拡大する。現在はプラット&ホイットニー製PW4000とGTFエンジン、CFMインターナショナル製CFM56、GE製GE90-115Bなど6種類のエンジンオーバーホールを実施しており、今後GEnxとLEAP-1Bを含む3種類のエンジンが加わる。
また、エアバスA350-900型機向けエンジンであるロールス・ロイス製トレントXWBなど、アシアナ航空(AAR/OZ)が運航する機材のエンジン整備の可能性も模索しているという。大韓はアシアナ買収に向けて14カ国・地域で競争法上の審査を受けなければならず、13カ国・地域で完了し、米国を残すのみとなっている。
大韓航空は韓国で唯一、民間航空機エンジンのオーバーホール専門施設を持ち、1976年にボーイング707型機向けエンジンのオーバーホールを開始。韓国当局のほかFAA(米国連邦航空局)やEASA(欧州航空安全庁)、CAAC(中国民用航空局)など13の当局から認証を取得しており、子会社のLCCであるジンエアー(JNA/LJ)をはじめ、デルタ航空(DAL/DL)や中国南方航空(CSN/CZ)などのエンジン整備を受託している。
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大韓航空
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