日本航空(JAL/JL、9201)とKDDIスマートドローン(東京・虎ノ門)は3月8日、令和6年能登半島地震の被害状況をドローンで調査する支援活動に参加したと発表した。ドローン2機種を活用し、石川県珠洲市と輪島市で1月から2月にかけ調査を進め、仮設住宅の建設地や橋の損害状況など、各自治体に調査データを提供した。
珠洲市では1月30日と31日に調査。仮設住宅の建設が急がれており、建設候補地の面的な被害状況を把握することが求められていたことから、沿岸の宝立町(ほうりゅうまち)地区などの候補地をDJI(本社・中国)のドローン「Mavic 2 Zoom」で撮影。空撮画像を地図上に重ねて、画像上で位置や面積、距離などを正確に計測できる「オルソ画像」を作成した。また、オルソ画像と津波浸水域を地図上で重ね、自治体の判断や応急対策につながるデータを提供した。
輪島市では2月6日と7日に調査し、道路の亀裂などの影響により点検が必要な橋りょうが400本以上あることから、ドローンで点検した。点検には米Skydio社のドローン「Skydio 2+」を活用。目視では確認が困難な床板の裏や支承、橋脚、橋台の部材の損傷状況を確認できた。また、現場の負担軽減や2次災害の抑止にもつながったという。
今回の調査は、両社と一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)と連携。JALは関係自治体などとの調整を進めたほか、珠洲市では機体の運航を担った。オルソ画像の作成にはJALとKDDIの2社が携わった。輪島市の調査では、KDDIが運航を担った。
関連リンク
日本航空
KDDIスマートドローン
日本UAS産業振興協議会
珠洲市
輪島市
JALとドローン
・JALとKDDIら、ドローンで隅田川飛び医薬品配送 聖路加病院まで3つの橋通過(22年2月16日)
・JAL、災害想定の大型ドローン実証実験 米テキサス州で、住商・ベルと(21年12月7日)
・JAL、奄美群島で環境保全と振興両立 23年度にドローン事業化目指す(21年10月14日)
・JAL、遠隔無人ヘリで物流実証 五島列島、1000キロ先の本社から操作(20年11月10日)
・JALと米Matternet、ドローン医療物流事業で提携(20年9月23日)
・JAL、日本初のドローン運航人材育成 パイロット訓練ノウハウ活かす(20年9月1日)
・医薬品や食品をドローン宅配 KDDIやJAL、JR東日本ら東京都の実験参画(20年8月31日)
・JAL、無人ヘリ遠隔操作で貨物輸送実験 五島の朝穫れ鮮魚、都内へ同日空輸(20年2月26日)
・成田近郊でドローン操縦認定会 合格率7%、JAL協賛(19年5月12日)
・JAL、社内ビジネスコンテストで「ドローン操縦士養成」選出 2年間で事業化目指す(17年12月27日)