中国のCOMAC(中国商用飛機有限責任公司)は、現地時間2月20日に開幕したシンガポール航空ショーで、小型機C919型機の飛行展示を実施した。C919が海外でフライトを披露するのは初めてで、国際デビューを飾った。また、チベット航空(TBA/TV)が40機発注する契約を結んだ。
C919は、ボーイング737型機やエアバスA320型機の機体サイズに相当する単通路機で、メーカー標準座席数は2クラス158席で最大1クラス192席、航続距離は標準型が4075キロ、航続距離延長型では5555キロ。2015年11月2日にロールアウトし、2017年5月5日に初飛行した。安全性を当局が証明する型式証明は、CAACから2023年9月29日に取得したが、FAA(米国連邦航空局)などからは未取得となっている。
エンジンは、CFMインターナショナル製新型エンジン「LEAP-1C」を搭載。LEAPシリーズは単通路旅客機向け次世代エンジンで、C919向けのLEAP-1Cのほか、エアバスA320neoファミリーで選択できるLEAP-1Aと、ボーイング737 MAXに独占供給するLEAP-1Bの3モデルがある。
最初の顧客である中国東方航空(CES/MU)には、2022年12月9日に初納入。2023年5月28日に商業運航を開始した。
COMACは、シンガポール航空ショーにC919を2機、リージョナルジェット機ARJ21を3機出展。26日からはベトナムで飛行展示を計画している。シンガポールにはCOMACの機体(登録記号B-001F)と中国東方航空の機体(B-919A)が出展された。
ARJ21は座席数78-90席のジェット旅客機で、2016年に納入が始まった。ダグラス(現ボーイング)DC-9型機や発展型のマクドネル・ダグラスMD-90型機などに酷似する部位がある。
また、COMACは同社初のワイドボディ(広胴/双通路)機C929も開発中。座席数は280席、航続距離1万2000キロメートルを計画しており、「国際的な耐空性基準に沿って独自開発され、独立した知的財産権を持つ」(同社)という。
関連リンク
中国商飛(COMAC)
GE Aerospace
Singapore Airshow
C919
・中国の国産小型機C919、初の商業運航 中国東方航空の上海発北京行き(23年5月29日)
・中国COMAC、C919を中国東方航空へ初納入(22年12月10日)
・中国COMAC、C919の初飛行成功(17年5月8日)
ARJ21
・中国COMAC、ARJ21を海外初納入 インドネシア社へ(22年12月20日)
・COMAC、中国大手3社にARJ21初納入(20年6月30日)