ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)の超大型機エアバスA380型機(登録記号D-AIMC)が、「12年点検」と呼ばれる大規模整備作業をグループの整備会社ルフトハンザ・テクニークで終え、ドイツへ戻った。マニラにあるルフトハンザ・テクニーク・フィリピン(LTP)が作業にあたり、A380の12年点検をLTPが実施したのは初めてだという。
LTPでは、これまでルフトハンザのA380に対し、4機の「3年点検」や「6年点検」を実施済み。ルフトハンザ・テクニークによると、総2階建てとなるA380の12年点検では、機体構造をより集中的に点検するため、1階と2階の客室に計509席ある座席をはじめ、すべての装備品を外して作業し、部品を全交換したり、分解・再組立を実施した部位もあったという。
ルフトハンザは、A380の運航を2023年6月1日から約3年ぶりに再開。14機保有していたが2020年春に6機を退役させて売却済みで、残る8機を順次復帰させている。座席数は4クラス509席で、ファースト8席、ビジネス78席、プレミアムエコノミー52席、エコノミー371席となる。現地時間2月11日には、次に12年点検を実施するA380(D-AIMH)がフランクフルトからマニラへ到着した。
12年点検のマイルストーンのひとつが、ランディングギア(脚)の完全交換。5つのギアアセンブリ、22個のホイールで構成され、ロンドンにあるルフトハンザ・テクニーク・ランディングギアサービス(LTLGS)の専門家が、4つのメインランディングギア(主脚)の部品をほぼ新品の状態にオーバーホールし、ノーズランディングギア(前脚)はメーカーによるオーバーホールを受けた。
A380はエンジンが4基ある「4発機」。ロールス・ロイス製トレント900(Trent 900)はすべて取り外され、主翼とエンジンマウントの構造点検などが実施された。また、保管期間が生じていたことから、期間中に発効となった耐空性改善命令(AD)に基づく改修も同時に行われた。
今回12年点検を実施したD-AIMCは、2010年8月に引き渡された機体で、飛行時間4万2000時間以上、飛行回数は4300回以上。2023年10月8日にフランクフルトを出発してマニラ入りし、ピーク時には100人以上の航空整備士が従事した。先週2月17日にマニラを出発し、フランクフルトへ戻った。
ルフトハンザ・テクニークによると、「ベースメンテナンス」と呼ばれるこうしたオーバーホールは、A380に対する整備作業の中で高い需要を維持しているという。LTPでは航空会社4社のA380のオーバーホールを受託しており、3つ目のオーバーホールラインが2023年に開設されたものの、今後数年間はフル稼働する見通し。
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ルフトハンザ ドイツ航空
Lufthansa Technik
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