日本航空(JAL/JL、9201)が100%出資する中長距離国際線LCC、ZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)は、ボーイング787-8型機の新造機を2025年度に2機受領する見通しだ。JALの斎藤祐二専務グループCFO(最高財務責任者)が2月2日、明らかにした。
ZIPAIRの787-8は現在8機で、座席数は2クラス290席。5号機(登録記号JA850J)と7号機(JA851J)の2機が新造機で、残り6機はJALが運航していた初期受領機を改修した機体となっている。2025年度に10機体制を計画しており、今後受領する2機は新造機となる見込み。2024年度に新造機の受領は計画していない。
斎藤専務によると、2025年度に受領予定の2機は、現在の生産レートでボーイングが製造できる範囲内で、現時点では計画通り引き渡される見通しだという。
ボーイングでは、737 MAXなどで製造時の品質問題が相次いでおり、787も2023年2月にFAA(米国連邦航空局)が納入を一時停止するよう命じ、3月に再開した影響などで引き渡しの遅延が発生。全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が発注した超長胴型787-10の国内線仕様機も、当初は2023年秋に就航予定だったが2月以降に延期となり、現在の予定では3月上旬になる見通し。
737 MAXの品質問題を受け、FAA(米国連邦航空局)はボーイングが計画している増産に向けた施設増強などに対し、厳しい審査を実施する構えで、増産体制の構築が計画よりも後ろ倒しになる懸念が出始めている。
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