ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のエアージャパン(AJX/NQ)は1月26日、新ブランド「AirJapan」の3路線目として、成田-シンガポール線を4月26日に週5往復で開設すると発表した。バンコク、ソウルに続き、観光だけでなく出張など商用渡航でも需要が見込める東南アジアのハブへ就航する。運賃は片道1万7500円から。
—記事の概要—
・全席エコノミー1万7500円から
・訪日客取り込むハイブリッドエアライン
全席エコノミー1万7500円から
運航日は、成田発が月曜と木曜から日曜、シンガポール発が月曜と火曜、金曜から日曜。運航スケジュールは、シンガポール行きNQ3便が成田を午後5時35分に出発し、午後11時55分に着く。成田行きNQ4便は午前0時55分にシンガポールのチャンギ国際空港を出発して、午前9時10分に到着する。
機材はボーイング787-8型機で、座席数は1クラス324席。エコノミークラスのみでシートピッチを海外のFSC(フルサービス航空会社)並みの32インチ(約81センチ)とし、深めのリクライニングとした。充電用USB端子はType-Aに加えて最新のType-Cにも対応し、個人用モニターを設置せずにタブレットホルダーを設け、乗客が自分のスマートフォンやタブレットを置いて、映画などを鑑賞できるようにした。
運賃は有料オプションを含まない「シンプル」、オプション2種類が含まれ、1500円までの事前座席指定と預入手荷物23キロまでがセットの「スタンダード」、オプション3種類が含まれて、3000円までの事前座席指定と預入手荷物23キロまでが2個、一部を除く機内食がセットの「セレクテッド」の3種類を設定した。
シンガポール線の片道運賃は、シンプルが1万7500円から、スタンダードが2万1200円から、セレクテッドが2万5800円から。2歳以上6歳以下の小児運賃は、シンプルが8000円、スタンダードが10590円、セレクテッドが1万5300円で、座席を使用しない2歳未満の幼児は5000円。いずれも空港使用料と税金は別途必要になるが、燃油サーチャージは徴収しない。
訪日客取り込むハイブリッドエアライン
AirJapanは、FSCのANA、LCC(低コスト航空会社)のピーチ・アビエーション(APJ/MM)に続くANAグループ第3のブランドで、「ハイブリッドエアライン」と位置づける。東南アジアを中心とした海外発のインバウンド(訪日)需要を今後の成長領域とし、ANAやピーチとは異なる市場をターゲットにしていく。
AirJapan仕様の787-8は、2025年度までに6機体制とする計画で、すべて全日本空輸(ANA/NH)が運航していた機体を改修。最初の機体(登録記号JA803A)はきょう1月26日早朝に成田空港へ到着し、2機目(JA801A)は4月に受領する見込み。
1路線目の成田-バンコク(スワンナプーム)線は、2月9日に就航予定。当初は週6往復で、2号機受領後の4月30日からは週7往復(1日1往復)のデイリー運航に増便する。2路線目の成田-ソウル(仁川)線は、2月22日に週5往復で開設予定で、4月29日からデイリー化する。
また、エアージャパンはANAの国際線のうち、アジア・リゾート路線を担っており、ANAブランド便とAirJapanブランド便の両方を運航することになる。このため、客室乗務員もANAとAirJapanの制服を乗務に応じて着用する。
運航スケジュール
NQ3 成田(17:35)→シンガポール(23:55)運航日:月木金土日
NQ4 シンガポール(00:55)→成田(09:10)運航日:月火金土日
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