全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は1月25日、日本貨物航空(NCA/KZ)の子会社化の予定日を4月1日に再延期したと発表した。国内外の関係当局による企業結合審査の完了までに要する時間などを勘案し、改めて延期したという。
当初は2023年10月1日を予定しており、その後今年2月1日に延期。今回のNCA完全子会社化により、ANAHDの2025年3月期第1四半期(4-6月期)連結決算から貸借対照表と損益計算書を連結する予定で、2025年3月期以降の業績に与える影響は「精査中」としている。
ANAHDによると「進捗はしているものの、調整に時間を要している」状況だという。
ANAは、かつてNCAに27.59%出資していたが、2005年に全株式を日本郵船(9101)へ譲渡。欧米への貨物便を多く運航するNCAを傘下に収めることで、航空貨物事業を拡大する。
NCAの子会社化は簡易株式交換により実施し、株主総会の決議による承認を受けずに行う見通し。将来的にANAの貨物事業との統合・再編を目指す。
ANAグループの貨物事業会社ANAカーゴ(ANA Cargo)は、貨物専用機を11機運航。内訳は大型貨物機のボーイング777Fが2機、中型貨物機の767Fが9機で、2028年以降に次世代大型機777Xの貨物型777-8Fを2機受領する見通し。
NCAは大型貨物機の747-8Fを8機運航中。過去に保有していた747-400Fは、他社へリースしている。また、NCAが自己株式として保有してた全部取得条項付種類株式の全7億9097万3000株は、8月25日付で消却している。
2月に延期
・ANA、NCA子会社化延期 24年2月予定(23年9月26日)
子会社化へ
・NCA、自己株式をすべて消却 ANAが10月子会社化(23年8月27日)
・ANA、NCAを10月子会社化 貨物事業を統合再編へ(23年7月10日)
・ANA、NCAを子会社化へ 欧米貨物便を強化(23年3月7日)
18年度からコードシェア
・ANAとNCAが業務提携 18年度からコードシェア(18年2月27日)
ANAの事業戦略
・ANA、787を2030年度100機超 非航空の収益力強化=新中期経営戦略(23年2月15日)
・ANA、777X貨物機と737MAX発注 片野坂HD会長「安全性保証されていると確信」(22年7月19日)
・ANA、成田に貨物便集約 アジア-欧米間の取込強化、収益向上へ(21年2月5日)
JALはヤマトと貨物事業や改修貨物機
・JAL 767貨物機、成田に到着 2/19就航、14年ぶり専用機(24年1月17日)
・ヤマトとJALのクロネコ貨物機A321P2F、成田でお披露目 4/11就航へ(23年11月20日)
・JALはなぜ”禁じ手”貨物機を解禁するのか 特集・ヤマトと組むコロナ後の貨物戦略(23年5月4日)
・JAL、貨物機を13年ぶり導入 767旅客機を改修、23年度末から東アジアに(23年5月2日)
・JALとヤマトのA321貨物機、なぜスプリング・ジャパンが飛ばすのか(22年11月22日)