航空大学校の卒業生が2023年に起業したビジネスジェット(BJ)チャーター会社マイクロジェット(東京・新宿)は、ペット同伴モニターフライトを神戸空港で1月18日と19日に実施した。8日に同社のX(旧Twitter)で参加者を募集したところ、約200件の応募があり、当初3組の予定を10組に増やして実施した。
今回のフライトは、神戸空港周辺を15分程度遊覧。1組50分程度の体験会で、参加者は空港に集合後、事前説明を受けてから機内での撮影が30分、遊覧フライトが15分となった。エプロン内は空港のルールに従い、ペットをケージに入れて移動したが、客室内ではペットをケージから出して飼い主と一緒に過ごした。
参加者は大阪府と兵庫県を中心に、東京都、滋賀県、岡山県、栃木県から2日間で計10組が参加。参加したペットはイヌとネコ計11匹で、もっとも多かったのはトイプードルの3匹、もっとも大きいのは体重25キロのラブラドールレトリバーだった。
2日に羽田空港で起きた海上保安庁機と日本航空(JAL/JL、9201)機の衝突事故後、飼い主とペットが客室で一緒に過ごせるフライトや、緊急脱出時に一緒に脱出できる空の旅を求めるSNSへの投稿が見られたが、マイクロジェットによると、緊急時は人命が最優先となるが、ペットも飼い主と脱出させることを想定しているという。
一方、北九州空港に本社を置くスターフライヤー(SFJ/7G、9206)が、15日から国内全路線に対象を拡大したペット同伴サービス「FLY WITH PET!」は、不特定多数の乗客が乗り合わせる国内線の定期便であることから、緊急時はほかの乗客の脱出を妨げないよう、機内持ち込みの手荷物と同様の扱いが求められ、緊急脱出時にペットを連れて逃げることはできない。
マイクロジェットの機材は、双発ジェット機セスナ510型サイテーション ムスタング(登録記号JA123F)で、乗客数は最大4人。同社では法人向けは「ビジネスジェット」、個人向けは「プライベートジェット」と呼ぶようにしているという。
羽田-札幌(新千歳)間を1泊2日の旅程で往復すると、マイクロジェットの法人契約時の税込運賃は往復289万800円、片道146万4100円。大手航空会社系のチャーター会社では、小型ビジネスジェット機「HondaJet(ホンダジェット)」利用時に同旅程で往復約400万円強となり、3割程度安い運賃になる。ビジネスジェットのチャーターは、使用機材や旅程などで運賃が大きく変動する。マイクロジェットによると、個人利用の場合は同社が契約している旅行代理店に相談して欲しいという。
マイクロジェットは、航大を2021年に卒業した高橋良社長らがビジネスジェットの運賃を従来よりも安価に提供することを目指し、2023年1月23日に設立。会長はスカイマーク(SKY/BC、9204)元社長の西久保愼一氏が務め、国土交通省から「航空運送事業の許可(AOC)」を8月3日付で取得し、10月から事業を始めた。
*写真は5枚。
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