官公庁 — 2024年1月16日 17:50 JST

国交省、滑走路上での衝突防止策 羽田事故で有識者会議、今夏に中間とりまとめ

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 国土交通省航空局(JCAB)は1月16日、滑走路上での航空機の衝突防止策を検討する「羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会」を設置すると発表した。今月2日に羽田空港で発生した海上保安庁機と日本航空(JAL/JL、9201)機の衝突事故を踏まえたもので、有識者会議で安全・安心対策をハード・ソフト両面から検討する。初回の会合は19日に開催し、今夏をめどに中間とりまとめを公表する見通し。

海保機との衝突で焼け落ちたJALのA350-900 JA13XJ=24年1月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 委員会では、パイロットと管制官に対する注意喚起システムの強化の必要性や、パイロットと管制官の交信の見直しの必要性などを検討する。第1回委員会は、国交省が入居する中央合同庁舎(東京・霞が関)で開催。羽田で起きた衝突事故の概要や、羽田空港の管制運用と安全対策の現状などを話し合う。

 同委員会の座長は早稲田大学理工学術院創造理工学部経営システム工学科の小松原明哲教授が務め、JALの元機長で航空評論家の小林宏之氏ら8人の有識者のほか、JALや全日本空輸(ANA/NH)など国内の航空会社19社が加盟する業界団体「定期航空協会(定航協)」と、公益社団法人・日本航空機操縦士協会(JAPA)が参加する。

 今後は委員会を毎月1-2回開催し、中間とりまとめを今夏に公表する。

 事故は2日午後5時47分ごろ、海保機MA722(ボンバルディアDHC-8-Q300、登録記号JA722A)とJALのエアバスA350-900型機(札幌発羽田行きJL516便、JA13XJ)がC滑走路で衝突し炎上。海保機は乗員6人のうち機長を除く5人が亡くなった。

 JL516便は乗客367人(幼児8人含む)と乗員12人(パイロット3人、客室乗務員9人)の計379人が搭乗していたが、全員が3カ所の出口から緊急脱出した。左右4カ所ずつ計8カ所あるドアのうち、前方2カ所(L1・R1)、後方1カ所(L4)を使って脱出した。残り5カ所は炎が見えるなどの理由で、客室乗務員が使用不可と判断した。乗客のうち2人が打撲などのけが、体調不良により病院で診察を受けた乗客が13人となった。

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