防衛省は12月22日、海上自衛隊が運用している哨戒ヘリコプターSH-60Kの後継機となる能力向上型の開発が完了したと発表した。今後SH-60Lとして運用を開始する。
SH-60Lは、ステルス性が向上した海外の潜水艦に対する対潜戦の優位性を確保するため、既存のSH-60Kを置き換えるもの。搭載システムや飛行性能などを向上させた機体で、2015年度から開発試作が始まり、三菱重工業(7011)が2021年9月29日に試作機2機を防衛装備庁へ納入した。
対潜能力などは運用構想や具体的な整備計画の確認を含め、必要とされる水準を満たしていると判断。今年1月には、部隊で運用可能な見通しであることから、取得経費を2023年度予算案に計上した。
2022年8月時点の平均量産単価は約81億円で、約80機取得時のライフサイクルコストは約1兆2483億円となる見通し。22日に防衛省が公表した予算案によると、2024年度は6機のSH-60Lを665億円で取得する。
現行のSH-60Kは、1997年から2005年にかけて開発され、部隊使用承認を同年3月に取得した。今年3月末時点の保有機数は73機。
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