エアライン, 空港, 解説・コラム — 2023年11月29日 23:34 JST

トキエア、仙台就航は最短24年4月 長谷川社長「2カ月くらい必要」

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 新潟空港を拠点に就航を目指すトキエア(TOK/BV)の長谷川政樹社長は11月29日、2路線目として計画している新潟-仙台線の就航時期について、早ければ2024年4月ごろになるとの見通しを示した。1路線目の新潟-札幌(丘珠)線を1月31日から週4日運航で開設すると同日発表しており、当初計画より1年遅れとなる2025年度の黒字化を目指す。

2路線目の新潟-仙台線を24年4月以降に開設を目指すトキエア=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 札幌(丘珠)線は、金曜と土曜、日曜、月曜の週4日運航で、1日あたり2往復4便を予定。1月31日は水曜日で運航日には入っていないが、長谷川社長によると1週間あたりの運航日数を週4日より多くすることを検討しているといい、早期にデイリー運航を目指す。週4日でスタートするのは「パイロットや整備士のマンパワーの問題」としており、現在は最終的な運航規模を調整しているという。

 2路線目の仙台線は、「2カ月くらいは間隔が必要」(長谷川社長)として、最短で2024年4月ごろの就航を目指す。新路線の開設には施設検査など、国土交通省の審査があり、一般的に開設申請から就航までに最短で2カ月程度はかかるためで、指摘事項が生じた場合はさらに時間がかかる可能性がある。このため、航空会社の立ち上げなどにかかわった複数の航空関係者の話を総合すると、最短日数での就航は難しいとみられる。

 2機ある仏ATR製ATR72-600型機(1クラス72席)のうち、初号機(登録記号JA01QQ)は11月20日に整備委託先のある台湾へ向かった。重整備(Cチェック)を実施するもので、1月20日前後には新潟へ戻ることを想定。入れ替わりで2号機(JA02QQ)が台湾で重整備に入り、就航から1週間程度は初号機のみで運航することになる。

 また、今年7月に国交省東京航空局(TCAB)に提出した整備規程については、1月から修正版の審査を受けることになるといい、長谷川社長は1月31日の就航には間に合うとの見方を示した。就航後も、定期便の運航を維持できる規模のパイロットや整備士の確保や育成、運航体制の維持が求められる。

 新潟県は就航に必要な資金として11億6000万円を融資しているほか、搭乗率保証を行う見通し。長谷川社長は丘珠線の目標搭乗率を7割としており、年間を通じて1便50人規模で常に搭乗するかや、搭乗率保証に依存せずに定期便の運航を維持できるかといった課題をクリアしていく必要がある。

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