エミレーツ航空(UAE/EK)は、総2階建ての超大型機エアバスA380型機に代替航空燃料「SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料、サフ)」を100%使用したデモ飛行を、現地時間11月22日に実施した。4基搭載するエンジンのうち1基に100%SAFを搭載し実証した。同社によると、A380にSAFを100%使用したデモフライトは、航空会社では世界初だという。
SAFは現在、商業便のエンジンでは50%混合が上限となっている。今回のデモフライトでは4トンのSAFを使用。フィンランドのネステと米ビレントの2社が供給し、ドバイ国際空港内の施設で混合した。A380に4基搭載する米エンジン・アライアンス製エンジンGP7200のうち1基にSAFを使用し、残り3基には通常のジェット燃料を給油した。また、機体の尾部にある小型エンジンのプラット・アンド・ホイットニー・カナダ製APU(補助動力装置)PW980も100%SAFで作動した。
航空機の位置情報を提供するウェブサイト「フライトレーダー24(Flightradar24)」などによると、11月22日に実施したデモフライトEK2641便(A380、登録記号A6-EOH)は午前11時36分にドバイ国際空港を離陸。ペルシャ湾上空を飛行し、約40分後の午後0時12分に同空港へ戻った。
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エミレーツ航空
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