ボーイングは現地時間11月9日、新規開発したジェット練習機T-7A「レッドホーク」がカリフォルニア州のエドワーズ米空軍基地へ到着したと発表した。ミズーリ州セントルイスの最終組立工場から出場した最初の機体で、飛行試験に使用される。
T-7は、オクラホマ、ニューメキシコ、アリゾナの空軍基地に給油のため立ち寄り、1400マイル(約2253キロ)を米空軍とボーイングのパイロットの操縦で飛行した。
ボーイングによると、空軍のテストパイロットが機体に慣れた後、フラッター試験から飛行範囲を拡大する。その後、ほかのレッドホーク2機が、さまざまな飛行特性やシステムをテストするという。
T-7Aは、T-Xとして開発が進められてきた単発練習機で、1959年に初飛行したノースロップ・グラマン(当時ノースロップ)T-38の後継機。351機が引き渡され、シミュレーターなど地上訓練設備46基も導入する見通し。
F-22やF-35といった第5世代戦闘機のパイロット養成を主眼に置き、新たに開発した。T-Xの飛行試験初号機は2016年12月20日、2号機は2017年4月24日に初飛行。2019年9月にT-7「レッドホーク」と名づけられ、米空軍には今年9月15日に初納入された。
エンジンは単発ながら双発のT-38Cと比べて推力が約3倍となり、近年の戦闘機と同じ垂直尾翼が2枚の「ツインテール」を採用して全高を抑えた。コックピットは教官が座る後席を前席よりやや高い位置に配した「スタジアムシーティング」とすることで視界を確保している。地上とのデータリンクやキャノピーを横開きにするなど、T-38を使う教官の声を開発に反映し、製造コストを抑えた。
関連リンク
U.S. Air Force
Boeing
ボーイング・ジャパン
T-7
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